内容説明
ケースワークや諸問題、テーマに関する基礎的な理論をベースに、明日の実践に活用できるものを具体的に執筆。
目次
1 生活保護ケースワークへの招待―いま、なぜ、生活保護ケースワークなのか
2 支援者と利用者、対象者とその関係
3 自立助長と自立支援の意味
4 ケースワークとソーシャルワーク
5 ケースワークの基本・訪問と記録
6 課題別の支援のポイント
7 就労支援ソーシャルワーク
8 生活保護制度の強みを活かしたケースワーク
9 連携・協働
10 ケースワーカーとして、組織として、福祉事務所の中ではぐくむチカラ
著者等紹介
吉永純[ヨシナガアツシ]
花園大学社会福祉学部教授(公的扶助論)、全国公的扶助研究会会長。1979年京都大学法学部卒業、2010年京都府立大学大学院後期博士課程修了、博士(福祉社会学)。1982年に京都市役所に入り福祉事務所を中心に、生活保護ケースワーカー(12年半従事)、生活保護監査、ホームレス支援等に携わる
衛藤晃[エトウアキラ]
神戸市灘福祉事務所生活保護ソーシャルワーカー、全国公的扶助研究会副会長、神戸公的扶助研究会代表、社会福祉士。1992年大阪府立大学社会福祉学部卒業、同年神戸市役所に福祉専門職として入り、福祉事務所で20年、知的障害者支援施設で6年間従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユカコ
7
事例集のような本はたくさんあるのだけど、CWとしての基本中の基本の心構え、初心、言うなれば魂みたいなものがこの1冊に凝縮されている気がします。貧困は人間を通して現れる。本当の自立とはなにか。CWの権限を己の力と履き違えていないか。障害や疾患や依存症…症例として学ぶことも大切。だけど同じ一人の人間として接することが鉄則。色々な人生に出会うたびに、よくぞここまで生きてくれました、よくぞここにたどり着いて話してくれました…!と祈りたくなる気持ちになる。一生勉強だし人間観を豊かにしていかねばと思う。2020/09/27
ブルーツ・リー
6
生活保護に関わる人でも、ケースワーカーさんは本当に大変だろうな、と思います。 通常の定員より遥かに多い人数を見なければいけない事が常態化している上に、余りにも多様な人の事を、それぞれ考えなくてはいけない。 自分は精神科福祉に関わっている人間だけれど、精神疾患を抱える人でも、本当に、多様。 それが、精神以外にも、半グレみたいな人や母子家庭、高齢の人等々、全てに対応しなくてはいけないケースワーカーさんには頭が下がります。 問題は色々あるけれど、ケースワーカーが報われるようなシステムになるといいな、と思います。2022/01/17
aof
5
より具体的でわかりやすい本。 でも、実際のところはここに書いてある成功例の何倍も失敗があって、心が折れることがあるはず。 そのへんのバランスもしっかり書かれてるといいのになぁ。2019/05/02
春菊
2
他人の話を聞くべき職業に共通する必要なスキルが書かれているように思う。2023/12/16
油髭達磨
0
新たな発見はない。それだけ自分がこの本に書かれている理想的なケースワークに近いものをできているのだろうか、それとも理想論として切り捨てているだけなのか。あえて学んだことを書くとしたら、こういうケースワーカーが社会で期待されているんだろうなあということ。ところで、ここまでやってもらえる金は如何ほどなんですか?成果を感じにくく、人がいる限りなくならない仕事に対する敬意と報酬のバランスが全く釣り合っていない。やりがい搾取もいいところ。ありがとうございました。2023/05/22