内容説明
最も注目すべき政治ライターの圧倒的なリサーチ力とフェアな視点が胸を打つ「議会制民主主義の教科書」。「読む国会」からはじまる政治参加。
目次
第1章 総理大臣と国会
第2章 国会議員の仕事とは
第3章 国会が動くとき
第4章 野党の役割
第5章 選挙制度と国会
第6章 ジェンダーと国会
著者等紹介
平河エリ[ヒラカワエリ]
ライター。京都市出身。早稲田大学卒業後、外資系IT企業にて勤務し、その後コンサルタントとして独立。ブログ「読む国会」が話題となり、ライターとして議会政治、選挙などを専門分野に活動。朝日新聞、講談社、扶桑社、サイゾーなど各社媒体で執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Y2K☮
30
定期的にこういう本に触れたい。わかっているつもりが落とし穴。議員立法の少ない理由、小選挙区&比例代表並立制のメリットデメリット、多数決と民主主義の関係性、党議拘束の内実など。特に会派の仕組みや意義はほぼ初見。無駄の削減という観点で議員定数を減らせといわれるが、枠を削るのではなく公に益する人だけを選びたい。そのためには選挙のあり方から見直す必要がある。あとは世襲問題。職業選択の自由は尊重する。でも地盤と資金を引き継ぐのであれば、最初のハードルを高めに設定しないとフェアじゃない。諸々の改革には政権交代が必須。2023/06/03
M H
19
議会の機能や実情に焦点を当て、日本の議会の特徴や課題をわかりやすく提示している。小選挙区制、比例代表制のような学校の教科書の内容以外にも、法案策定のプロセスがわかりにくい事前審査制、審議拒否の理由などメディアで目立ちにくい範囲がカバーされていて勉強になる。第6章「ジェンダーと国会」で急に著者の主張が強くなるため、若干戸惑ったがもっともな話。なお、女性議員が少ないのはもちろん、議員全体のなり手減少も気になるところ。2021/09/24
ブック
7
物凄く簡単に書かれているわけではないけれど、ニュースで聞くあの言葉の意味はこういうことだったのか、と理解が深まる。それと、そもそもの国会のルールですね。我々はルールも知らずに競技に参加しているようなものだから、そこは非常に勉強になる。逆の見方をすると、例えば多くの人は野球のルールをすべてわかっていなくても野球観戦を楽しむことはできるわけで、まずは政治に興味を持ってみる、よくわからないけど見てみる、ということが早道なのかも知れないと思った。もうすぐ始まる参議院選挙の前に目を通して良かったと思う。2022/06/20
kozawa
3
一般書としてはよくできてる国会についての解説。わかりやすくて、かつ背景知識も豊富。 「野党はだらしない」と思っている人こそ、なぜだらしないのか、どうならないと野党が「だらしなくならない」のか気になる人こそ読むべき。2021/08/26
みじんこ
2
トピックと関連する議事録も引かれつつ解説され、ニュースでよく耳にする事柄への理解が深まる。質疑と質問の違い、議会と行政の一体化に対する野党の役割の考え方、憲法24条の解釈など勉強になった。会期制と政策部会の事前審査制といった制度が日本特有の仕組みであることも初めて知り、選挙制度(仏の二回投票制は取り入れる余地があるのではと思う)の海外との比較も含めて、まだ改善した方がよい点が多くあることも分かる。公約を守らせるために党議拘束が必要であるとする考え方も理解できたが、やはり何もかもというのはやりすぎと思える。2023/08/18