翻訳がつくる日本語―ヒロインは「女ことば」を話し続ける

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784768479513
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C0081

出版社内容情報

女らしい「女ことば」を話し続けているのは、日本人女性ではなく洋画のヒロインたちだった!? ハーマイオニーも、スカーレット・オハラも、戦う女リプリーも、「~わ、~だわ、~のよ」と、コテコテの「女ことば」で話す。洋画のヒーローたちは、日本人男性が使わない「男ことば」をキザに、気さくに話し、名作の黒人たちは「方言」で話している。翻訳ことばが気になってしかたがなくなる、新しい視点の日本語論。

第?部 翻訳の不思議 1 西洋ヒロインは「女ことば」を話し続ける 2 西洋の若者は「気さくな男ことば」で語る 3 黒人が話す「方言」
第?部 翻訳を考える 4 言葉づかいとアイデンティティ 5 翻訳が支える日本語らしさ──「女ことば」 6 翻訳がつくりだす他者のことば──「男ことば」 7 翻訳が再生産する差別──「方言」の場合
第?部 翻訳から変わる日本語 8 親疎で使い分ける「女ことば」と「標準語」 9 女性らしさだけじゃない「女ことば」 10 一九七〇年代洋画字幕に見る強い女の「女ことば」 11 翻訳を楽しむ

中村 桃子[ナカムラ モモコ]
著・文・その他

内容説明

洋画のヒーローたちは、日本人男性が話さない「男ことば」を、キザに、気さくに話し、名作の黒人たちは「方言」で話している。翻訳ことばが気になってしかたがなくなる、新しい視点の日本語論。

目次

第1部 翻訳の不思議(西洋ヒロインは「女ことば」を話し続ける;西洋の若者は「気さくな男ことば」で語る;黒人が話す「方言」)
第2部 翻訳を考える(言葉づかいとアイデンティティ;翻訳が支える日本語らしさ―「女ことば」の場合;翻訳がつくりだす他者のことば―「男ことば」の場合;翻訳が再生産する差別―「方言」の場合)
第3部 翻訳から変わる日本語(親疎で使い分ける「女ことば」と「標準語」;女らしさだけじゃない「女ことば」;一九七〇年代洋画字幕に見る強い女の「女ことば」;翻訳を楽しむ)

著者等紹介

中村桃子[ナカムラモモコ]
関東学院大学教授。博士。専攻は言語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

58
【ヒロインたちは強くなっても、「女ことば」を話し続ける】女らしい「女ことば」を話し続けているのは、日本人女性ではなく洋画のヒロイン。一方ヒーローは、日本人男性が話さない「男ことば」をキザに気さくに話し、名作の黒人が「方言」で話すのは、何故か? 身近な翻訳で使われている日本語の面白さに目覚め、データを集めて翻訳理論を学んできた著者による、新しい視点の日本語論。<翻訳の中で使われていることばを意識すると、作品の内容だけでなく、そこで使われている「ことば」も味わうことになり、翻訳を二重に楽しむことができる>。⇒2022/12/27

ばりぼー

37
なぜ、フィクションの登場人物の会話は、通常では使われない女言葉に翻訳されるのか。最大の理由は登場人物の描写を簡単にする「ステレオタイプの経済性」である。「気さくな男言葉」や「たくましい女言葉」で、手っ取り早く登場人物のアイデンティティを示す必要がある。黒人の奴隷は、「駄目でごぜえますだ」といった疑似東北弁を使って教育のない地方人として描かれるが、日本語は日本人によって純粋培養されてきたのではなく、翻訳を通して国外の人種や階級、国対国の権力関係などが密接に関わって形作られており、差別が再生産されているのだ。2017/06/10

ごへいもち

20
表紙絵や扱っている材料から受ける印象よりずっと学術的というのか、あまり、こなれていない感じで読みにくかった。集めた材料も少なすぎるのでは?とも2015/01/11

くろすけ

16
小学生女子であるハーマイオニー・グレンジャーの台詞は「~のよ」「~だわ」等の「女ことば」に翻訳される。しかし現代日本において、このような女ことばで話す小学生女子は存在しない。つまり翻訳は「日本語女ことば」の保管機能を果たしており、翻訳が逆に日本語に影響を与えることもありうるという内容。だけどわが国の誇る代表的小学生女子、磯野わかめはお手本にしたいような女ことばを駆使するし、ドラマや小説の中でも多くの日本女性は女ことばで話している。これは翻訳vs日本語ではなく、虚構vs現実の問題として考えるべきなのでは?2013/12/18

なつみかん

14
この本については同じことを繰り返しているばかりで単調に感じた。それはそれとして、言葉は変わってゆくものだろうから、この先の日本語にある男言葉、女言葉がどう変化するのか(いずれ男も女も亡くなるだろうか?)に興味だね。2020/12/21

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