内容説明
生涯に3度訪れると言われる動物園。最初は親と、2度目は子どもと、3度目は孫と。いやいや、動物園はもっと魅力溢れる神秘空間。あなたはどんな動物園が好き?動物たちにも性格ってあるの?地方動物園のゆくえは?日常空間では決して遭遇できない動物たちとの出会いの場、それが動物園。動物園は魅力溢れる神秘空間。さあ文化系「動物園学」を始めよう。
目次
第1部 動物園が果たす社会心理学的役割(動物園におけるブランド絆感の構築を目指して;動物園で飼育されている動物に対する性格特性の推測;人間による動物のいのちに対する介入をめぐる諸問題―いのちに関する一考察)
第2部 地方動物園が抱える問題と地域での役割(日本における地方動物園の現状―いくつかの地方動物園に関する考察;「姉妹都市」提携事業として姫路市立動物園に寄贈されたウォンバットのゆくえ;ここまでの暫定的結論)
付論 虚構世界における動物園―『逢魔ヶ刻動物園』が描く変身の妄想的世界
著者等紹介
諸井克英[モロイカツヒデ]
同志社女子大学生活科学部・人間生活学科・特任教授。名古屋大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(心理学)
古性摩里乃[フルショウマリノ]
(株)スペース(東京)勤務。同志社女子大学大学院・生活デザイン専攻修了修士(生活デザイン)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やこ
1
動物園の社会心理学について、動物園と直接の関係を持たない立場から考察・調査しまとめた本。第一部前半部は「ブランド絆感」など難しい概念があり理解の難しい部分も多い。しかし別の観点から園の内包する問題を述べており、更に近年の園動物関連のメディアの話題も考察されており新鮮で面白かった。特に漫画「逢魔ヶ刻動物園」に関する考察は少年ジャンプの抱えるパラダイムに関連して述べられており、力が入っているようだ。第三章の他の生物の命を消費する人間の抱える矛盾と葛藤の様な部分は、今後も考え続けなければならないテーマだと思う。2019/10/18