内容説明
「えーっ、子どもできたの?」育てられる者もいつか育てる者になる。養育者と子どもの関係性から、発達を捉えなおす。
目次
第1部 実際編(関係発達論という発想;関係発達論の三つの基本概念;「育てる」をめぐる現代社会の状況と若者の意識;妊娠期の女性の心理;出産期の諸問題;誕生から生後3ヶ月まで;生後3ヶ月~7ヶ月の諸行動の出現;生後半年~1年までの“子ども‐養育者関係”;生後1歳前後からの表示機能の出現;1歳代の躾と子どもの主体性の育ち;「私」の意識の発生―1歳半から2、3歳にかけて;保育の場の両義性と相互主体性)
第2部 理論編(ピアジェの発達論;ヴィゴツキーのピアジェ批判;ウェルナーの有機体論的発達論;ワロンの身体・情動・自我論;精神分析学的な諸研究;関係発達論の基本概念1―間主観性;関係発達論の基本概念2―両義性;関係発達論の基本概念3―相互主体性)
著者等紹介
大倉得史[オオクラトクシ]
1974年東京出身。京都大学総合人間学部卒業、同大学院人間・環境学研究科修了。京都大学博士(人間・環境学)。臨床心理士。九州国際大学講師・准教授等を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は発達心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう
8
発達支援を試みる際に、しばしば「子どもの能力」や「養育者としての環境」の支援に偏ってしまうことがある。関係発達論においては、「子どもと養育者の関係」という一つの単位から、強引に子どもの能力だけを切り離し、その能力の発達に対して養育者がどのように関わるべきかを問う従来の議論とは、根本から異なるアプローチを取る(p6)。関係性を描写するための主要な概念として、間主観性、両義性、相互主体性の三つが挙げられ、これらを用いて具体的なエピソードを記述している。2024/04/11
はーちゃん
0
教科書として読んだ。