内容説明
戦争と殺戮、食糧と資源、貧困と格差、医療危機、社会保障の破綻など、人間の生存をめぐる末期的状況をもたらした市場原理主義。21世紀の世界は新たな危機の時代を歩みはじめた。前世紀の危機の時代に生きたA・グラムシの思想と実践を再審し、今日の「もうひとつの世界」へ向けて、新しい抵抗ヘゲモニーの創造を模索する論集。
目次
序章 グラムシ思想への前哨―疎外、物象化、市民社会、ヘゲモニー
第1章 「プロレタリアート」概念の再審―いま「ベルリンの壁の崩壊」を読む
第2章 全ての人間は知識人である―グラムシ教育思想の根本問題
第3章 国家の市民社会への再吸収―組織された生産者社会の旋回
第4章 ムッソリーニとグラムシ―ローマ・一九二四年~一九二六年
第5章 三池闘争の終焉と現代日本―生産者社会の夢・市民社会の現実
終章 グラムシと教育研究―本書の総括にかえて
著者等紹介
黒沢惟昭[クロサワノブアキ]
1938年長野市に生まれる。1965年一橋大学社会学部卒業。1970年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。神奈川大学外国語学部教授、東京学芸大学教育学部教授、山梨学院大学大学院社会科学研究科教授などを経て、長野大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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