出版社内容情報
テーマパークを乱立させてディズニー化する現代日本社会と、それに反して脱ディズニー化する東京ディズニーランド――創始者の思想が希薄化し、ジャパン・オリジナルへと変貌している――を現代社会論・メディア論の視点から解析する刺激的な成果。
はじめに
第1章 様相を変貌させる東京ディズニーリゾート
1 「ディズニー学」の基礎知識
2 パーク内はコスプレ会場と化した?
3 ファミリー・エンターテインメントからの逸脱
4 TDR=送り手側も異様?
5 ウォルトの存在が薄れるほどゲストの数は増える?
第2章 ディズニーランドと日本人――ディズニーというゆりかごのなかで
1 ディズニーと日本人の関係史
2 日本アニメの苗床になったディズニー
3 プロレスとディズニーが高度経済成長とテレビ普及に貢献
4 ディズニーになじんでいた戦後世代
5 日本人へのディズニー再教育
第3章 テーマパークの本質:1――情報圧によるめまい
1 テーマパークとは何か
2 テーマ性の入れ子構造
3 TDSでのテーマの重層構造
第4章 テーマパークの本質:2――ハイパーリアリティー
1 ハイパーリアリティーとは何か
2 テーマランドはコピーのコピー
3 ジャパン・オリジナル、ダッフィーの誕生
4 ダッフィー的システムの方法論化
第5章 テーマ性の崩壊
1 崩壊を象徴するパレード
2 マクロと中規模(=ミドル)のテーマ性
3 ミクロなテーマ性
4 テーマ性崩壊をさらに進める「ハピネス・イズ・ヒア」
5 テーマなきテーマパークの出現
第6章 ジャパン・オリジナル化するTDR
1 グレムリン化するゲスト、ドン・キホーテ化するTDL
2 消費文化の伝統文化への昇華をもくろんだウォルト
3 アキバ化するTDL
第7章 ディズニー化する社会、脱ディズニー化するTDR、そして……
1 ファストフードとファミレスを経験した一九七〇年代
2 ディズニー化とは何か
3 社会がディズニー化していく
4 脱ディズニー化する未来
第8章 TDRは聖地になりうるか?
1 評価が分かれる『アナ雪』
2 微分的文化と文化相対主義
3 二つの聖地
付録 ディズニーを学ぶ人のために
1 ウォルトを知る
2 ウォルト没後のディズニーの状況を知る
3 東京ディズニーリゾートを知る
4 専門的な視点からディズニーを考える
参考文献
おわりに
新井 克弥[アライ カツヤ]
1960年、静岡県生まれ。関東学院大学文学部教授。専攻はメディア論。単著『劇場型社会の構造――「お祭り党」という視点』(青弓社)、『バックパッカーズ・タウン カオサン探検』(双葉社)、共著『若者論を読む』(世界思想社)、『情報化の中の〈私〉』(福村出版)、『情報化と社会心理』(中央大学出版部)など。
内容説明
日本の現代社会全体をテーマパーク化させた「夢と魔法の王国」東京ディズニーランドは、同時に、この国の歌舞伎などの伝統文化に吸収されていくという不思議なプロセスにも巻き込まれている。その過程を、ディズニーランドと日本文化に関わる歴史的な文脈をたどって確認し、構造を分析して、現代社会の発展とディズニーランドの変容との関連性・相同性についてディズニー化/脱ディズニー化の視点から実像を描き出す。そこから導き出されるのは、創始者のウォルト・ディズニーが掲げたウォルト主義が東京ディズニーランドから希薄化していき、ジャパン・オリジナルのディズニーランドが創造されていく現実である。ディズニーランドを媒介にして、日本の現代社会の変容過程を解析する現代社会論・メディア論の刺激的な一冊。
目次
第1章 様相を変貌させる東京ディズニーリゾート
第2章 ディズニーランドと日本人―ディズニーというゆりかごのなかで
第3章 テーマパークの本質:1―情報圧によるめまい
第4章 テーマパークの本質:2―ハイパーリアリティー
第5章 テーマ性の崩壊
第6章 ジャパン・オリジナル化するTDR
第7章 ディズニー化する社会、脱ディズニー化するTDR、そして…
第8章 TDRは聖地になりうるか?
付録 ディズニーを学ぶ人のために
著者等紹介
新井克弥[アライカツヤ]
1960年、静岡県生まれ。関東学院大学文学部教授。専攻はメディア論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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