内容説明
激動の近・現代中国を生きた京劇俳優たちのライフストーリーに、同じく時代に翻弄された著者の肉声を重ね合わせ、二十世紀の京劇をめぐる情勢、政治状況に巻き込まれた俳優たちの苦悩と表現への欲望などを丹念に描き出す。
目次
大河ことごとく流れ去り、余情なおめぐる―尚小雲往事
萌える緑も枯葉もよし―言慧珠往事
知るや否や、まさに緑肥え紅痩せたるを―楊宝忠往事
未練、風雅の四十年―葉盛蘭往事
梨園の一葉―葉盛長往事
一筋の糸が消え、そこに香りだけが残る―奚嘯伯往事
一陣の風、千古の絶唱を吹き留める―馬連良往事
霧雨も芳草も持ち去り、春は過ぎゆく―程硯秋往事
著者等紹介
章詒和[ショウタイワ]
1942年、四川省重慶生まれ。安徽省桐城(現在の樅陽県)の出身。父は57年に右派とされ迫害された章伯鈞(元中国民主同盟幹部、全国政治協商会議副主席)。北京師範大学付属女子高校・中国戯曲研究院戯曲文学科卒、63年より四川省川劇院芸術室に勤務。68年から78年まで「現行反革命罪」により懲役20年の判決を下され服役。78年から79年にかけて、無罪が認められ釈放、名誉回復する。その後、四川省文化庁演目室に勤務。79年から中国芸術研究院戯曲研究所に勤務、助手、副研究員、研究員、修士・博士指導教官を歴任。2002年に退職、現在は著述に従事
平林宣和[ヒラバヤシノリカズ]
早稲田大学大学院文学研究科芸術学専攻博士課程単位取得退学。早稲田大学政治経済学術院准教授、演劇博物館兼任研究員。専攻は近現代中国演劇
森平崇文[モリダイラタカフミ]
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学演劇博物館グローバルCOE研究助手。専攻は上海を中心とした中国演劇史
波多野眞矢[ハタノマヤ]
中央大学大学院博士課程後期、東京大学・立教大学・国学院大学非常勤講師。早稲田大学演劇博物館グローバルCOE研究員。専攻は京劇研究
赤木夏子[アカギナツコ]
東京大学大学院総合文化研究科博士課程。早稲田大学演劇博物館グローバルCOE研究員。専攻は二十世紀京劇史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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