内容説明
現代日本に生きる私たちがいま直面する健やかな発達にとっての課題とは?具体的に、どのように取り組めばよいのか?日本学術会議における議論から生まれた、発達心理学者からの親、教師、政策立案者への緊急アピール。
目次
現代科学技術の負の影響から子ども本来の育ちを守ろう
子育て力の回復を政策目標に子どもの主体性を大切に関わる―子どもの学力格差は幼児期から始まるか?
「格差・落差・段差」のない学校読書環境の実現を
子どもの“心の回復力”を育てる
集団現象としてのいじめの効果的な予防とケアを
個性に合わせた発達環境設定を!
事件や事故、虐待などが疑われるときの子どもへの面接―司法面接と多機関連携
早期英語教育導入の前に考えなければならないこと
ものづくりをもの語る
「経験」「知恵」「技」「人間力」の世代継承を政策課題に
超高齢社会の基盤を強くする教育アプローチ
幸福感の向上を政策目標に
著者等紹介
子安増生[コヤスマスオ]
京都大学大学院教育学研究科博士課程中退。博士(教育学)。現在、京都大学大学院教育学研究科教授
仲真紀子[ナカマキコ]
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程中退。学術博士。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tellme0112
3
親への提言。対等な人間関係を築く、子の安全地帯になること、子どもに勝ち負けの言葉を使わない、子どもの言葉や行動を共感的に受け留め受け入れる、他児と比べず、その子自身が以前より進歩したときに承認し誉める、裁判官のように禁止命令でなく、提案の形で述べる、教師のように完璧な詳細な隙のない説明や定義を述べない、子ども自身に考えさせる余地を残す働きかけ、親は、待つ、みきわめる、急がない、急かさない、で、子どもがつまづいたときに支え、足場をかけ、子どもが一歩踏み出せるよう脇から支える、子どもと共に暮らす幸せを味わう2015/12/24
tellme0112
2
面白かった。とくにいじめ防止の提言。加害者側が「本当はダメだけどクラスのみんなには許容されてる、やってもいいんだと思っている」と感じているという。そう勘違いさせちゃいけない。そんな折、デマ情報で入管サーバーがパンクのニュース。匿名密告のシステムは偏見や差別を助長するよな。無言の人たちが行動を起こすことで変わるかも。追記。スタンドバイミー読み返したくなった。2015/12/24
悠里
0
ちょっと古い本だけど、知らなかった心理学の知見が 色々勉強できてよかった。司法面接/いじめのプロセス/発達障害の認知科学的知見/早期外国語教育の効用の誤解/認知症予防への対策など。2019/05/17