内容説明
不思議と魅力に満ちた世界へ!ヒトはいかにしてコミュニケーション能力を獲得していくのか?利他行動、指さし、笑顔、泣き、母娘関係という5つのテーマを軸に、子どもによりそった観察・実験が解き明かす「心の発達」のおもしろさ!
目次
第1章 子どもは協働する―利他性と教示行動の発達と進化(なぜ乳幼児はこんなに親切なのか?;ヒト以外の霊長類は協働的ではないのか?;バランスのとれたヒト理解、チンパンジー理解―まとめに替えて)
第2章 指さし行動の発達(前言語期の子ども同士の指さし行動;「一人指さし行動」の役割;「目さし」の発達的意味;一連の研究を通しての課題と展望;これから研究をするうえで)
第3章 笑顔の発達と進化(ヒトの笑顔の初期発達;チンパンシーはどのように笑うのか;おわりに―笑顔の進化と発達研究の未来)
第4章 乳児期における泣きの発達(乳児の泣きをどのようにとらえるか;乳児期における泣きの縦断的事例観察;乳児の泣きに対する聞き手(聴き手)の受け止め方
乳児の泣きに関する発達研究の可能性)
第5章 母子関係はどのように変わっていくのか?―青年期の娘とその母親の「観察」からみえたこと(青年期の課題からみえてくる青年期の親子関係の変化;青年期の親子関係の変化をどうとらえるか;青年期を迎えた子どもとその母親との関係―娘と母親の結びつきの強さ;青年期の親子関係を理解するための方法;青年期の親子関係をどのようにとらえていくべきか)
著者等紹介
川上清文[カワカミキヨブミ]
慶應義塾大学文学部社会心理教育学科心理学専攻卒業。同大学院社会学研究科教育学専攻博士課程満期修了。教育学博士。聖心女子大学文学部教授、学部名変更に伴い現代教養学部教授。発達心理学。専門は、乳幼児期の対人関係の発達
高井清子[タカイキヨコ]
日本女子大学文学部教育学科卒業。同大学院家政学研究科児童学専攻修士課程修了。博士(医学:昭和大学)。日本女子大学家政学部児童学科教授を経て、日本女子大学名誉教授。発達心理学。専門は、主に乳幼児期の対人関係の発達
岸本健[キシモトタケシ]
大阪大学人間科学部人間科学科卒業。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、聖心女子大学文学部心理学科専任講師を経て、聖心女子大学現代教養学部心理学科准教授。ヒトやチンパンジーにおける乳幼児と養育者との相互作用が、乳幼児の認知発達に与える影響について、観察と実験により研究を進めている
宮津寿美香[ミヤツスミカ]
西南女学院大学保健福祉学部福祉学科卒業。日本女子大学大学院人間生活学研究科人間発達学専攻博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。日本女子大学学術研究員を経て、長崎大学人文社会科学域(教育学系)助教。保育学、発達心理学を専門とし、指さし行動を中心とした前言語期のコミュニケーション行動について研究している
川上文人[カワカミフミト]
慶應義塾大学文学部人文社会学科心理学専攻卒業。東京工業大学大学院社会理工学研究科価値システム専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、中部大学人文学部心理学科専任講師。京都大学霊長類研究所チンパンジー(林原)寄附研究部門特定講師、京都大学野生動物研究センター特任准教授、日本モンキーセンターアドバイザーを兼ねる。発達心理学、比較認知発達科学を専門とし、主に笑顔の進化と発達について研究をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。