内容説明
「移民」のいない国、日本。だが、グローバル化と少子高齢化の中、日本の農業や産業は今や多くの新来外国人労働者に支えられている。中国、ブラジル、フィリピンなどから来た彼らはどのように働き、暮らしているのか?多様な外国人住民を包摂する21世紀の日本を考える。
目次
はじめに―ニューカマー外国人と二一世紀の日本社会
第1章 ニューカマーの制度的位置づけ―日本の出入国管理政策を中心に
第2章 地場産業を支えるのは誰か―茨城県の水産加工業と外国人労働者の動態
第3章 外国人に依存する農業―北海道の中国人研修生・実習生の役割
第4章 「ガラスのコップ」が壊れる時―国際金融危機と日系南米人の生活
第5章 地域社会にみる多文化共生―名古屋市中区のフィリピン・コミュニティの試み
第6章 ニューカマーの流入と都市の“多文化”化―新宿区大久保の二〇年
第7章 礼拝の場を求めて―日本に住むムスリムのモスク設立運動
第8章 日本の多文化民主主義を見据えて―外国人支援NGOが持つ意味
著者等紹介
加藤剛[カトウツヨシ]
1943年生まれ。コーネル大学Ph.D.(社会学)。現在、龍谷大学社会学部教授。京都大学名誉教授。研究分野は、比較社会学、東南アジア研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sumiyuki
1
在日韓国人等の特別永住者ではなく、近年増えてきた外国人に焦点をあてた本。新大久保、イスラム教徒、フィリピン人、日系ブラジル人、技能実習生等々。@南米から日系人を受け入れた当初は、日本政府が入管法改正を行ない、日系人による日本での就労や生活が合法化された。しかしながら彼らが入国してからは、本来は政策レベルで対応すべき彼らの入国後の受け入れやフォローを、派遣会社が代わって提供し補ってきたのである。2015/10/20
catlover
1
外国人問題を考える上で、非常に参考になる。1990年の入管法改正により、安価な外国人労働者を製造業等の企業が雇用するようになった。2011/07/04