感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akinbo511
9
著者が出演したラジオ番組をきっかけに読んでみた。6年前の本なので少し古いけれど、ニュースで見聞きする限り、現在もハウジングプアの状況はあまり変わっていないような気がする。幼稚園の頃から新宿のホームレスを頻繁に見かける生活だっただけに、自分の子供が小さいころは見せないようにしていたので知らなかったのだが、その頃にいろいろなことが起きていたことを、この本で改めて知った。 2015/07/25
半木 糺
4
本書は2009年の年越し派遣村問題を念頭において書かれている。貧困による新たな居住貧困の形を「ハウジング・プア」と呼称し。日本の貧弱な住宅政策の抜本的見直しを唱えている。しかし、現在に至っても、本書が提起した問題は解決されるどころか、ますます深刻化している。もはや一国の猶予もない。家賃補助や空いた公営住宅の利用など、国と行政は全力を挙げて問題解決に取り組むべきである。2018/06/25
だまし売りNo
1
本書(稲葉剛『ハウジング・プア―住まいの貧困と向きあう』人文社会科学書流通センター、2009年)は、住まいの貧困問題を説明し、解決策を提言する書籍である。格差社会化した日本ではホームレスやネットカフェ難民、ゼロゼロ物件詐欺、追い出し屋など住まいに関係する様々な問題が発生している。 「昨今では、貧困にかかわる社会問題が数多く存在する。住宅分野に限っても、ハウジングプア(失業などで収入と共に住まいを失う人)やネットカフェ難民(定住地を失いネットカフェで寝泊まりする人)などの問題がメディアを賑わせている。」(「2011/12/01