内容説明
深刻化する若年層の自殺。仲間や恋人に「死ぬこと」を仄めかされたらどうしたらいいのか?自殺をとどめるには、この最初の表現を聞いたものが「ゲートキーパー」となる必要があります。いのちの大切さを声高に叫ぶだけではなく、聴く技術、つなぐことなど、人と人のきずなで自殺を予防しよう―そんな授業が北九州市では実践されています。その自殺予防教育を実践してきた4人の心理臨床家による手引き。明日からでも授業ができる資料集も付録満載。
目次
第1部 理論編(子どもを直接対象とした自殺予防教育の必要性;今なぜ、学校における自殺予防か―学校で自殺予防教育を行う必要性と必然性;児童生徒を対象とした自殺予防教育の実際―国内外の先行研究から;学校における自殺予防教育の進め方)
第2部 実践編―学校における自殺予防教育の進め方:北九州市の実践から(学校現場に自殺予防教育を導入するために―自殺予防教育の導入課程;学校における合意形成;授業プログラムの実際)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
U-Tchallenge
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自殺予防教育に取り組みたい、と思うとする。しかし、どのように取り組んでいくのがいいのだろうか、と悩むこととなる。本書はそんな悩みに応えてくれ、具体的な取り組みについて知ることができる。もちろん、どうして自殺予防教育が必要なのか、という理論的な部分にも言及されている。また、本書で紹介されている資料のほとんどはダウンロードすることができる。だから、そのまま追実践することが可能になる。つまり、自殺予防教育を取り組みたい、と思っている者にとっては必読ということだ。2020/10/26
U-Tchallenge
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学校における自殺予防教育について丁寧に考えられている一冊。副題にもなっている「だれにでもこころが苦しいときがあるから」というのはとてもよい言葉だ、と感じた。心が苦しくなるのは自分だけでなく、誰にだってある。そう思えたら少し楽になるのではないだろうか。誰にでもあるからこそ、誰もが学ぶことに意義があるだろう。こんなことを考えさせてくれる一冊であった。自殺予防教育なんて必要ないでしょ、と思っている方にこそ読んでもらいたい。そして、子どもたちの心の苦しみに何かしらのアプローチをしてもらいたい。2020/06/23