出版社内容情報
壊滅のあとにわずかに生き残った広島と長崎の医師たち.以来50年近くにおよぶ治療と研究の苦悩のうちに知りえた動かせない事実を,ここに示す.はたして私たちは,その被爆の実態と影響を正確に知っているといえようか.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
49
2018年351冊め。1945年5月にドイツが降伏し、アラモゴードでの原爆実験が行われた7月時点で「ナチスの核開発を抑止するために連合国側も原爆を準備し保有するという名分は解消されていた。「核兵器は、その開発に手がつけられた、そもそものはじめから、軍備競争の萌芽をふくみ、また抑止を口実にかかげながら、現実の行使への誘惑にうちかち得なかったという、苦い経験をになって出発したのでした。」開発にあたった科学者たちの苦悩、占領下での医療措置や研究、記録活動に当たった人々の存在も忘れてはならない。2018/07/20
Takao
1
1982年7月23日発行(初版)。36年前の出版、定価200円! 記録映画『ヒロシマ・ナガサキ〜核戦争のもたらすもの〜』完成発表会(1982年5月14・15日))での記念講演。本書出版時で被爆37年、今はすでに被曝73年。昨年、核兵器禁止条約が採択されたが、ヒロシマ・ナガサキが年々記憶から薄れているような気がする。本書に詳しく述べられているような、広島・長崎で起こったことを改めて直視する必要があると感じた。2018/12/12