出版社内容情報
光や風の一瞬の輝きを描き出す驚くべき能力によって美の世界を一変させたモネの生涯と芸術を当時の社会的・政治的コンテクストに照らして分析,激動の時代に機敏に対応しながら制作する画家の姿を浮彫にする.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dowalf
7
絵画を鑑賞するとき、描いた人や描かれた時代の背景について知っていると、こんなにおもしろいのか!ということを、この本から学びました。また、モネ本人やモネの描いた絵だけでなく、当時のフランスの社会情勢、フランス美術の変遷についても詳しく描かれていて、非常に勉強になる一冊。挿絵もフルカラーですてきです。2014/10/29
彩雲
1
上野のモネ展を見に行くにあたって、図書館で借りました。高階秀爾氏の娘の絵里加さんが翻訳を務めておられました。やはり非常に勉強になりました。2015/10/08
Mamo↑Hon
0
現代の視点で観ると古典的な絵画のようにみえるモネの作品。しかし、印象派が生まれた当時は、前衛的な芸術運動であった。キュビズムなど新たな前衛芸術が生まれ、最先端のアートシーンからは離れたように思われたモネの晩年。しかし白内障を患ったモネが製作した絵画が、ジャクソン・ポロックのドリップ・ペインティングへと、新たな前衛芸術運動につながっている可能性は、初めから終わりまで芸術の最先端をモネが走り続けていた証左であった。2020/11/29