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内容説明
校長権限の飛躍的強化、人事考課、強制的異動などで学校現場の自由を奪い、仕上げは「日の丸・君が代」の職務命令による強制―。石原都知事・横山教育長の強力コンビのもと、都立高校を主な標的に進行中の「教育改革」の実態とは何か。その行き着く先は、精神の地盤沈下ではないのか?「ノー」の声を挙げ、闘い始めた教師・保護者・生徒たちのナマの証言から構成する迫真のルポ。
目次
序章 七〇年代、「日の丸・君が代」強制はすでに始まっていた
第1章 「日の丸・君が代」問答無用の強制
第2章 教師が自由を奪われていく
第3章 生徒たちのなかに芽生える「不定愁訴」「倦怠感」「すさみ」
第4章 中学にAクラスの超大型台風がやって来た
第5章 「ノー」と言える市民たち―教師、保護者は闘う。そして、生徒自身も
第6章 「石原さんは、クレージー」―ジャーナリズムからの視線
著者等紹介
村上義雄[ムラカミヨシオ]
1934年、東京生まれ。フリー・ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。NHK記者を経て朝日新聞記者となり、社会部、『朝日ジャーナル』、『週刊朝日』などに在籍、人物ルポや、「子どもと教育」「戦争と平和」などをテーマに取材・執筆活動を続けた
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感想・レビュー
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katoyann
22
石原慎太郎が東京都知事を務めていた時代の教育改革の問題点を取材したドキュメント。話題になったのは、平成15年10.23通達であり、都立高校卒業式における国旗掲揚と国歌斉唱の義務づけであった。米長邦雄の園遊会での発言に対し、当時の天皇が「強制にならないように」と答えた事が大きなニュースになったのを覚えている人も多いだろう。石原流教育改革は、行政からの教育現場への愛国心の押し付けと受験競争の扇動に特徴がある。後者は見落とされがちだが、進学校に通う生徒のメンタルヘルスが問題になったのも石原都政下の時代だった。2022/07/31