出版社内容情報
神話，おとぎ話，昔話など，多くの人びとに共有されてきた物語と自分の物語とは治療場面でどのように関係してくるのか．物語を理解すること，その物語を生きることとはどういうことなのか．古橋信孝氏との対談も併録．
内容説明
人間が生きていくうえで、どうしても不可欠と考えられる哲学、宗教、教育などは、心理療法とどう関連するのか。心理療法の現場における最新・最大の話題、研究の最先端を提供する。神話、おとぎ話、昔話、そして「現代の神話」など、多くの人びとに共有されてきた物語と自分の物語とは治療場面でどのように関係してくるのか。自分の物語を創ってゆくこと、そしてそれを理解すること、とはどういうことなのか。そもそも物語とは一体どういうものなのか。
目次
総論 「物語る」ことの意義
聖娼の物語と心の癒しについて
無意識の神話産生機能と夢分析
心理療法における自分の物語の発見について
「モノ」の語りとしての妄想と物語り
対談 自分の物語をつくる
著者等紹介
河合隼雄［カワイハヤオ］
１９２８年生まれ。臨床心理学。京都大学名誉教授。国際日本文化研究センター所長。京都大学理学部数学科卒業。１９６２－６５年、スイス、チューリッヒのユング研究所に留学。日本で最初のユング派分析家になる。著書に『昔話と日本人の心』『心理療法序説』『河合隼雄著作集』全１４巻（岩波書店刊）など多数
高石恭子［タカイシキョウコ］
１９６０年生まれ。臨床心理学。甲南大学文学部助教授・学生相談室専任カウンセラー。京都大学大学院教育研究科博士後期課程修了。主著に『大学生がカウンセリングを求めるとき』（共編著）、『メンタルヘルスの実践』（共著）など
武野俊弥［タケノシュンヤ］
１９５３年生まれ。武野クリニック院長。東京医科歯科大学医学部卒業。主著に『分裂病の神話―ユング心理学から見た分裂病の世界』など
山口素子［ヤマグチモトコ］
１９５４年生まれ。臨床心理学。ユング派分析家。神戸女学院大学人間科学部助教授。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。主著に『青年期女子の女性性に関する研究』、『シネマの中の臨床心理学』（共著）、『臨床心理学大系１７ 心的外傷の臨床』（共著）など
川戸円［カワドマドカ］
１９４８年生まれ。臨床心理学、ユング派分析家。大阪女子大学大学院修士課程修了。主著に「治療精神医学」（共著）、「心理療法面接のノウハウ」（共著）、「女性性の誕生」（共訳）など
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