出版社内容情報
江戸は天明の世に花と咲き出た狂歌の数々,著者はその一句一句を読みながら,かつてはかくも笑うことを楽しんだ日本人が時代の移り変りとともになぜ笑いを失っていったのか,また笑いの喪失が何をもたらしたかと問う.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sukham
2
①う〜ん、なださん、固いねぇ。今日か明日か いかるが軽みの紙つぶて②夷斎・石川淳に登場願って……「すべての賢愚をともにひきいて、虚構を実在にもちこむといふ、非凡の力量をあらはしたのは、四方赤良、朱楽菅江といふ二箇の達人の大神通に依るものと見るほかない。」独吟歌仙も巻いた粋人の寸評ですな。③内田百閒自宅の軒先にあったとか……「世の中に人の来るこそうるさけれ とはいふもののお前ではなし 蜀山人 //世の中に人の来るこそうれしけれ とほいふもののお前ではなし 亭主(つまり内田百閒)」コレは機知か頓知か頓珍漢?!2022/02/03
還暦院erk
2
図書館本。読み始めたら面白くて即読了。そうだ、最近の日本の政治系論壇には笑い成分が足りないんだ、と気付いた。ユーモアが無い社会くらい胡乱なもんは無い。今の日本は、なださんが懸念してる時期より更にヤバくなってるかも。狂歌作りって結構センスが要るのだが、久々に再挑戦してみたくなった。2015/06/18
kaz
1
とても面白かった。狂歌とか全く興味持ってなかったけど、今でいうラップみたいな感じで身分とか関係なく誰でも面白い歌を考えて、時には面白おかしく政権批判もして、権力側から「おい、こいつらほっといたらひょっとしてやばいぞ」とか思われちゃうくらいに流行って、世の中をゲラゲラ笑ってた昔の日本人の姿が想像できた。頭光(つむりのひかる)とかペンネームもふざけてておもろい。2020/11/15
彼方
1
狂歌に今まで特に関心を抱いたことがなかったけれど、日本人はたった31文字で笑いも、嘆きも、憤りも表現することができるんだ!と思った。 詳しくないので人物名をあげられてもよく分からなかったのが残念。もっといろんな本を読みます(笑)
fyoshiki
0
私淑する作家の江戸文学史論。むちゃくちゃ面白い! 江戸期は文学運動の時代でもあったのだ! 時代閉塞のなかから言葉が産まれ、詩となり、新たな形式を案出する。そこで産まれ作られた遊びとユーモアは明治期に入って抹消されていく……。2017/05/16