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岩波文庫
駱駝祥子―らくだのシアンツ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 407p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003203118
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0100

出版社内容情報

筋骨たくましい人力車夫,祥子青年は来る日も来る日も北平(北京)中をひた走りに走る.そう,彼には「理想」があったのだ,何としても自前の車を手に入れたいという.こうして三年,刻苦勉励はみごとに報われた.けれども――.きっすいの北京っ子老舎(一八九九―一九六六)が,裏町の住人たちの悲喜哀歓を心をこめて描く.

内容説明

筋骨たくましい人力車夫、祥子青年は来る日も来る日も北平(北京)中をひた走りに走る。そう、彼には「理想」があったのだ、何としても自前の車を手に入れたいという。こうして3年、刻苦勉励はみごとに報われた。けれども―。きっすいの北京っ子老舎が、その愛してやまぬ裏町の住人たちの悲喜哀歓を心をこめて描いた代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

331
時は、国民党政府の時代(1930~40年代)。物語の舞台は北京(当時は北平)。主人公は車引きを生業とする祥子(シァンツ)。彼は自分の車さえ持たず、それを持つことをいわば生涯の夢としている生粋のプロレタリアートだ。彼が持つのは長身の身体という労働力のみである。本書はそうした祥子の日々の苦闘を描くことで、その時代の北京と、社会の底辺にいる人々を活写した。小福子の不幸、そして懸命に働けども一向に報われることのない祥子。行末に待っているものは絶望である。同じ人間に生まれながらとの不条理感がひしひしと迫る作品だ。2017/01/28

まふ

107
中国国民党政権時の北京(北平)の下町を舞台にした車夫の物語。一徹でクソ真面目だがその一生懸命さが皆に愛される「駱駝の祥子」と呼ばれる車夫が、金を貯めて車を買い自営業者となろうとするも、いつも邪魔が入って達成できないうちに、親方のブスの娘に惚れられ最後には心ならずも結婚させられたりして、自分らしい生きかたができずに生涯を終える…。少しばかり「無法松」を思い出したりしたが、読者の心にツンと訴えかけてくる中国風人情物語だった。G455/1000。2024/03/01

NAO

75
自分で貯めた金で自分の車を持つことが夢だった祥子。一度は叶うかにみえた夢だが、悪いことが重なって、その生活はどんどん荒んでいく。成功することは滅多になく、ほとんどの場合悪い方へと転がっていく最下層の人々の生活。中国の話だが、その実情がゾラが『居酒屋』で描いたパリの最下層の人々の暮らしぶりとあまりにも似ていることに驚かされる。2018/10/14

syaori

60
祥子は北京の車引き。背が高くて頑丈で、夢はお金を溜めて自分の車を持つこと。そうすればすべて上手くゆくと思っていた。そんな祥子が様々な出来事に直面し、夢を、希望を、人生を、生きることを手放してしまう歴史が、北京の街の賑わいや彼と同様社会の底辺に生きる人々の物語を交えて描かれます。車を買い、とりあげられ、金を貯め、巻き上げられるという、「血と汗と苦痛によって織りなされた」彼の不条理な物語が突きつけてくる切実さと、底辺の人々の不運や不公正、そして喜びや悲しみを呑み込む、作者が活写する北京の街に圧倒されました。2019/01/06

壱萬弐仟縁

34
「うまいものが食えて、 たっぷり眠ることができ、 こざっぱりした姿(なり)もしていられる などという仕事口は、そうそうある ものではない」(102頁)。 曹先生は、社会主義者を自認していたが 唯美主義者でもあり、ウイリアム・モリスに 傾倒していた(104頁)。 曹先生は大学で授業をもっており、 阮明という学生と馬が合ったが、 年齢と地位の関係でいささかぶつかる ところがなきにしもあらず(187頁)。 成績の付け方のような問題。 私の院生時代みたいなもんだな。 2014/04/17

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