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岩波文庫
愛神の戯れ―牧歌劇『アミンタ』

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  • サイズ 文庫判/ページ数 273p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003271018
  • NDC分類 972
  • Cコード C0197

出版社内容情報

愛神アモールの戯れの矢によって妖精シルヴィアを愛する牧人アミンタ.しかし彼の熱いまなざしも,狩に夢中なシルヴィアは気がつかない.絶望し死を選ぶ牧人を救おうと,愛神は田園に降り立った.イタリア・バロック期最大の詩人タッソの手に成るこの牧歌劇は,ダンテに始まるイタリア文学の豊饒さを改めて認識させてくれる.

内容説明

愛神アモールの戯れの矢によって妖精シルヴィアを愛する牧人アミンタ。しかし彼の熱いまなざしも、狩に夢中なシルヴィアには届かない。絶望し死をえらぶ牧人を救おうと、愛神は田園に降り立った。―イタリア・バロック期最大の詩人タッソ(1544‐95)の手に成るこの牧歌劇は、ダンテに始まるイタリア文学の豊饒さを改めて認識させてくれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

49
イタリアの森で展開されるこの牧歌劇では、牧人やニンフ、サテュロスに加え、エステ公の屋敷からやってきたティルシ(タッソー自身)が愛や芸術について語り物語を彩ります。ここで語られる愛は、サテュロスが暴力的な手段に訴えて失敗し、アミンタの優しい愛がシルヴィアの冷たい心を溶かしたように、奪うものではなく、その一途な熱が頑なな心をも蕩かさずにはいられない美しいもの。そんな牧人アミンタとニンフ・シルヴィアの苦悩の果ての甘い結末を、エピローグに登場する愛神の母親ヴェーネレの口上がピリリと締める、可憐で洒落た小品でした。2019/04/15

金吾

10
途中少しイラっとするところもありましたが、きれいな感じがする話でした。2020/11/21

きゅー

9
話の筋が分かりやすく、展開も早い恋の物語ということで、劇として見るには楽しい娯楽だったのかもしれない。幕間劇、コロス(合唱隊)の登場など変化をつけるのも、飽きさせないためだろう。それにしても、シルヴィアとアミンタの友人が考えた恋の成就の方法があまりの力技で驚かされた。500年近く前ともなると、女性の地位はこれほどまでに貶められていたものか。『愛神の戯れ』というのは邦訳した際の意訳だが、タイトルのイメージ通りの作品だった。『エルサレム解放』のような一大叙事詩とは比べるべくもないが、小気味良い劇作ではあった。2012/04/18

nightowl

2
色々隠喩があることは解説で触れられてはいるけれど、それらすら現代の目からすれば甘い。イタリア文学の恋愛に関するひたすらロマンティックな言葉に酔うのが素直な楽しみ方。戯曲といえどオペラ原作なら上演の可能性があるかも。2023/10/25

保山ひャン

2
ニンフのシルヴィアを愛する牧人アミンタ。彼の思いは全く届かない。アミンタはなんやかんやで死ぬことにした。わかりやすい筋立てだが、解説を読んで腰を抜かした。作者タッソの激烈な生涯、このアミンタをもって初めて牧歌劇が成立したこと、この劇に込められた新しい思想。愛に関する問答は古びておらず、今読んでも面白い内容だった。2017/09/19

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