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岩波文庫
ガレー船徒刑囚の回想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 466p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003347317
  • NDC分類 956
  • Cコード C0123

出版社内容情報

カトリックの支配していたルイ14世治下のフランスで,17歳の時から12年間ガレー船の徒刑囚としてすごした一プロテスタントの記録(1757).服役中に52%が亡くなるというガレー船徒刑囚の苛酷な体験を回想した唯一の記録といわれ,当時のフランスの政治状況,宗教をめぐる状態,司法制度などについての貴重な証言をも含む.本邦初訳.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むらきち

15
あまりにも過酷すぎる刑罰「ガレー船徒刑」その実録です。生存率48%とありますが、読むともっと低いのではと思います。寝床はなく、食事は粗末で、日常的に暴力的な罰が振るわれ、そんな状況で櫂走(ヴォーグ)を何時間も、時には何十時間も続けます。櫂走は全身を使って漕ぐので、何時間もこれを続けるなど信じられません。実際、自由人(一般人)では困難だった事例があり、強制される奴隷だからこそガレーは動くことができました。当時のフランスの様子もよく分かる良本です。とても面白かった!2020/11/29

松本直哉

13
足を鎖に繋がれて、昼夜の別なく漕がされて、身を横たえる場所もなく、食事も粗末なものばかり、生存率は半分以下という、苛酷極まりない「ガレー船徒刑」に、プロテスタントであるという理由だけで処せられて、棄教さえすれば解放されると言われても、頑として信仰を守り続けた青年の回想。思想信条にまで均質性を求めて絶対王政の基盤強化を狙うルイ王朝と、そこに取りいるカトリック教会にあくまでも対抗しつづける生き方は、悲壮さよりも、なぜかさわやかさといさぎよさを感じた。踏み絵を拒否し続けたキリシタンを連想する。2014/09/20

8
18世紀、改宗を拒み12年に渡りガレー船で徒刑囚生活を送ったフランス人青年の回想録。ブルジョア出身の彼には教養や有力者とのコネがあり、口達者で経済的援助に恵まれ、一般の他のガレー船徒刑囚と比べ、残虐な暴行を受ける事は少なく、虜囚生活が優遇されていたのは間違いない。ただ、彼が生きたのは、ナントの勅令の実質的な廃止で、改革派の信仰の自由や安全な生活が脅かされ、改宗させるための国王やカトリック派による弾圧により、多くの改革派が改宗している時代で、彼の虜囚人生が不条理と不安と苛酷さの中にあった事は想像に難くない。2014/04/23

よっし~

7
18世紀、フランスはカトリックを国教としプロテスタント( 「ユグノー」)への容赦ない弾圧を加えていた。著者はプロテスタントへの改宗の廉で囚われの身となり、まず生きて放免されることのない「ガレー船徒刑囚」としてこの世の地獄を見ることになる。カトリック司祭の残忍さやドラゴナール(竜騎兵)による蹂躙等、ヨーロッパの歴史の闇を今に伝える貴重な文献である。護国寺読書会「K社のとなり」読み友さん紹介本。2019/12/13

てつこ

4
18世紀、ルイ14世の治世において、迫害されていたプロテスタントのマルテーユはオランダへの逃亡時に逮捕され、ガレー船徒刑囚となる。12年間にわたるガレー船での労役を事細かに記録した手記。プロテスタントという理由だけで確実にガレー船、しかも終身徒刑だったらしい。慈悲のない士官や指揮官の暴行、狡猾なカトリックの司祭たち、理不尽な鞭打刑や苦役に耐える囚人たち。ガレー船徒刑囚の50%は3年以内に事故や鞭打刑で亡くなったそう。悲惨…。18世紀の歴史本を読むといつも思うけどイエズス会は本当に陰険でイラッとする。2019/08/30

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