岩波新書<br> 古代中国を読む

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岩波新書
古代中国を読む

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004130437
  • NDC分類 222.03
  • Cコード C0222

出版社内容情報

古代中国史の研究に特異な足跡をしるす著者が,漢文好きだった少年時代の追想から始め,その後,学究としての道を歩み続ける過程で古代中国に係りながらいかなる歴史像を抱き育てて来たかを独特の語り口で語る.『論語』『左伝』『史記』など史料の厚い地層をつき破り,歴史の岩盤に達しようと志した史家の胸中にくり広げられるものは何か――.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

23
春秋時代の賄賂は、国と国の外交折衝に際して、時には一国内の公(きみ)と大夫の関係を調整するための不可欠な贈遺品(122頁)。ワイロを排撃する主張は、戦国以後の儒家文献にしばしば見られるとのこと(『礼記』中庸篇など128頁)。著者は王船山の『読通鑑論』読書会に参加し、一篇一篇の談論を傍聴、王の文化理念の奥深さ、清朝支配下の中華の現実に対する悲憤の激しさを理解したという(168頁)。専門書の読書会もアリだと思う。2015/09/29

nori_y

4
先生に好きな本として勧められた一冊。面白い。これは専門書なのか、エッセイなのか。曰く「何となく漢文に惹かれた、というだけ」な東洋史学専攻の大学生だった著者の、古代中国との出会いから、若手研究者だった頃のその時々の中国古典に対する見方、そして専門家として迷い悩む姿がかなり率直に書かれていて、大学教授の頭の中、思考過程を覗いてしまったような感が…あとがきで「この本の読者〜全く見当がつかない」と仰られておりますが、同じ専攻の迷い悩む大学生・若手研究者ではないでしょか。研究者である先生が勧めてくれた理由が分かる。2019/07/31

さとうしん

3
中国古代史に関して研究成果をまとめた本ではなく、研究の過程や『論語』『左伝』などの史料に対する見方をまとめた本。必然的に著者による『中国古代政治思想研究』所収の諸論考などのダイジェストにもなっています。中国古代史の研究とはどういうものかを知るには良い本かもしれません。2015/06/15

in medio tutissimus ibis.

1
古代中国の思想を通して著者の思想の遍歴を物語る、半分私小説みたいなエッセイ。当時中国で吹き荒れていた文革の嵐も未だその眼の中の出来事は詳らかにされないままに遠く日本の研究者の胸中に燃える志を煽っていて、その後に訪れるであろうその実態を知った時の衝撃を思わざるを得ないのは後世から見るが故だろうか。分立した小国家に代わる戦国の列強を支えたのは活性化した商業活動による税収であり、それを支えた思想もまたそこから出でたものに他ならない。御恩と奉公の交換を前提とする以上、士道は市道なり、とは意外にして説得力に富む論。2019/08/29

Mentyu

0
ある中国古代史研究者の研究回顧録。自分みたいな大きな野望を持って研究を押し進めるタイプとは正反対の研究者像を見せられた。でも、研究対象と向き合うことで自分自身とも向き合うことになるという話は共感するなと。2019/09/25

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