出版社内容情報
本書は,親・子・孫すべて海に生まれ波にゆられながら,一生を船上に送った漂泊漁民をとりあげ,アジア各地の漂海民と比較しつつ,海に生き漁村を開いてきた彼らの足跡を辿った力作である.漁業史・漁民史の一側面として興味深いだけでなく,アジア民俗史を考える上で,貴重なデータが盛りこまれている.
内容説明
本書は、親・子・孫すべて海に生まれ波にゆられながら、一生を船の上に送ってきた漂泊漁民をとりあげ、アジア各地の漂海民と比較しつつ、海に生き漁村を開いてきた彼らの足跡をたどる。漁業史・漁民史の一側面として興味深く、またアジア民俗史を考える上で、貴重なデータが盛りこまれている。
目次
1 漂海民とはなにか
2 漁業はいかに発達したか
3 漁民の移動
4 アマとその移動
5 アマと家船との関係
6 瀬戸内海の家船
7 九州の家船(付、沖縄)
8 南海の漂海民
9 珠江の蛋民
著者等紹介
羽原又吉[ハバラユウキチ]
1882‐1969年。1909年東京大学理学部動物学科卒業。朝日文化賞(昭25)、日本学士院賞(昭30)受賞。専攻は日本漁業経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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CTC
9
63年岩波新書。漂海民というのは、①陸上に土地建物を直接所有しない、②小舟を住居に一家族が暮らしている、③海産物を獲り、販売/物々交換しながら移動、という特徴を持つ人々だという。なんと国内にも…本書初版刊行時「現在も若干のこ」っていた!著者の手による彼らのスナップも収録されているし、伝承は直接聞けたし、菩提寺に過去帳などが残っているというのは、山窩とは大きな違いだ。 本書は現在形よりもその歴史や成り立ちを考察する目的のため詳しく記されないが、税金や戸籍はおろか、飲み水だってどうしていたんだろう。。2019/12/20
sansirou
3
海上で船で生活をする「漂海民」についてその生活や歴史、風俗などについての記録です。漁の方法、道具や船の構造、結婚の風習など、今日と違う文化や今でも残っているものなど、読み物としても面白く読めました。2023/03/17
ymazda1
2
外洋を航海できる船がほとんどなかった時代の面影みたいなものが、ほんの少し前まであちこちに存在してたというのは、ちょっとした衝撃で、古代の出雲から現代の渡鹿野島まで、いろんなことに思いを馳せさせてくれた本だった。
りり課長
1
80P2013/12/18
秋津三郎
0
7412020/09/08