出版社内容情報
子どもは教育によって,果してどれだけ変りうるのか.“遺伝か環境か”の論争は,現在も形をかえて激しく争われている.ルソー,イタールに始まる発達思想の変遷をたどり,子ども観や育児思想がその時代の文化や社会のあり方と密接にかかわることを明らかにするとともに,今日の発達研究が当面している状況と問題点を平易に語る.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カナトキ
2
本著が出版された約40年前、今ではそれほど違和感無く見聞きし、書籍のタイトルにも用いられることが珍しくはない『発達心理(学)』と言うコトバであり分野は、日本でまだ市民権を得ていなかったとある。児童心理学としてはあったが、限定的で決して広くを捉えた表現ではないと考える。生涯人間発達という考えからすると発達心理学とは的を得た表現だと思う。2020/08/25
tora
2
半分が発達心理学史、残りが過去の研究についての見解。2012/09/19
marukuso
1
発達という言葉の定義から問題提起し、発達とは何かを簡潔に紹介した本。発達するのは子どもだけではない。青年も老年も含まれる。発達は人間がその遺伝に基づいてなされるのか、それとも環境によるのかといった議論まで、とてもわかりやすい。実存主義か構造主義かの問いのようでもあり、この分野への興味がさらにわいた。2013/07/07