出版社内容情報
ものとは何か,運動とは何か,変らないものとは何か――人類は長い間こうした問いに答えようと試みつづけてきた.現代物理学はこれらの問いに,どのような答えを与えているのか.物理学の最新の知見にもとづく世界像を紹介しつつ,科学の方法とは,論理的な思考とは,真理の保証とは,などについて,平易に語りかける.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃん吉
6
科学と哲学に関する大学での講義を原稿に起こしたものとのこと。ものとは何か、エネルギーとは何かといった、自然科学に関するある程度具体的な話から、科学における方法論の話、自然科学における論理の意味、意義、真理の問題という科学と哲学が交わる話へと進みます。門外漢の私から見ると、根本的で重要なことが、平易な言葉でわかりやすく書かれた(簡単ということではありませんが)良書ではないか思われました。2021/09/25
オランジーナ@
2
1984年発行の黄色岩波新書。著者は2008年死去。読みやすくて、科学哲学の入門書としていいと思う。しかし、絶版のようなので古本しか買えないのが残念。2017/05/28
Esmé
1
こちらもごくごく斜め読み…だが思ったよりわかりやすかった。時間があったら是非もう一度精読したい。ひとつの領域の全体像を大づかみにするようなこういうタイプの本を若いうちにあまり読まなかったのが悔やまれる。いや、「読まなかった」のではなくて、今にしてようやく読めるようになったというのが正解だろう。まだまだ刻苦勉励精進しましょう。2013/09/16
丰
0
Y-202004/03/22
inenoha
0
「ものとは何か」「変化とは何か」を自然科学の基本的な二つの問いであるとして,そこから物理学の成果を平易な言葉で語りつつ,そのような科学的探究の哲学的背景を探り出していく.著者の中心的な主張は,自然科学の方法を最終的に保証するのは実在論であるということだろう.その他に,論理実証主義の解説や,矛盾律・因果律・斉一性の原理の解説など,科学哲学の入門としていまでも価値を失ってはいない.2018/08/20