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岩波新書
日本語の構造―英語との対比

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  • サイズ 新書判/ページ数 195p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004203735
  • NDC分類 815.1
  • Cコード C0281

出版社内容情報

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」.この文には主語がない.「雨に降られた」という場合,自動詞なのに受身が用いられる.さらに,助詞「は」と「が」の微妙な使いわけ…….こうした日本語の興味深い特徴を従来の文法にとらわれずに分析し,そのしくみを明らかにする.『英語の構造』の著者による斬新な問題提起.

内容説明

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」。この文には主語がない。「雨に降られた」という場合、自動詞なのに受身が用いられる。さらに、助詞「は」と「が」の微妙な使いわけ…。こうした日本語の興味深い特徴を従来の文法にとらわれずに分析し、そのしくみを明らかにする。好評の『英語の構造』(上・下)の著者による斬新な問題提起。

目次

1 日本語と日本文化
2 和歌の日本語
3 日本文の特質
4 日本文の特質―続
5 助詞「が」について
6 「が」の用法の歴史的推移
7 連体形の終止形吸収
8 動詞の活用形について
9 活用形とかな遣い
10 日本語表現の名詞的性格
11 日本語の文構造
12 名詞・動詞の拡充 ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

7
副題に魅かれて借りた。和文は話者の主観的叙述文、聞き手との談話の性格が強く、脈絡に依存した客観表現が多い。英文は、主語を主題に客観表現で、脈絡から独立するという相違が顕著(188頁)。日本語の最大の弱点は、和文に現れるように、個人の責任感が鈍くなるということ(194頁)。無責任を生み、開き直りやしらばっくれるという態度にもつながる、恐ろしい日本語という性質も嗅ぎ取れる。近頃、雪山遭難や滑走禁止区域に入り込み、他人の世話になる迷惑な人が増えてきた。自己負担は否めないが、ことばの構造から行動原理も構築される。2013/06/11

中村明裕

2
(#中島文雄1987)日本語の文法の構造を、生成文法の形式的な方法を用いて解説しているのが大変おもしろい。ただ、全体的に日本語は曖昧(英語はどうなのさ)であるとか、情緒的であるとか、論理的でないとか、それが日本の文化なのだとかいった偏見が前提のように扱われていて首をかしげる。もう少し専ら形式的な方面から論を進めたら更に日本語の構造が明瞭に分かる本になったのではないかな、と思った。2014/05/03

Akiro OUED

1
名詞の柔軟な文法機能をもって『形容名詞』を定義した。同感。文法的な立ち位置が不明瞭な形容動詞より、遥かに(これ、形容動詞?)スッキリ。助詞の多彩な機能を万葉集などの古典から考察した。なんだか、古文のほうが現代文より論理的な感じがしてきた。それにつけても、日本語はむずかしい。2020/04/16

Eiichi

1
今年38冊目。英語と対比すると、確かに日本語の文法構造が見えてくる。日本語は直観的・描写的。主観的、文脈的な要素もある。英語は命題的・論理的。客観的な要素がある。2015/03/15

まーれ

0
『英語は主語中心の「命題文」、日本語は述語中心の「描写文」』というフレーズが、すとんと理解できる本でした。共時的な論述と経時的な論述がまざっていますが、一度読んでみても損はないと思います。2012/06/18

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