出版社内容情報
改憲論議が進む中,憲法第九条の下で自衛隊は海を渡り,二大政党制への道も敷かれた.戦後政治の枠組みが終焉を迎えた今,日本政治はどこへ向かうべきか.政治への幻滅から脱却し,民主主義を立て直す新たな座標軸をさぐる.
内容説明
構造改革の掛け声むなしく、旧来型の利益政治は温存され、社会には将来への不安感が拡がっている。一方で、改憲論議が進む中、憲法第九条のもとで自衛隊は海を渡り、二大政党制への道も敷かれた。戦後政治の枠組みが崩壊した今、日本政治はどこへ向かうべきなのか。政治への幻滅から脱却し、デモクラシーを立て直す新たな座標軸をさぐる。
目次
第1章 戦後政治とは何だったのか
第2章 変質した憲法政治―「九条=安保」体制の終焉
第3章 迷走の政党再編―政治改革の帰結と政党の変質
第4章 構造改革の政策対立―崩れゆく「平等」
第5章 政治主導への挑戦―官僚依存は超えられたか
第6章 デモクラシーの融解
第7章 次なるデモクラシーに向けて
著者等紹介
山口二郎[ヤマグチジロウ]
1958年岡山市生まれ。東京大学法学部卒業後、同助手を経て、現在、北海道大学法学部教授。専攻は行政学
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感想・レビュー
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佐島楓
18
戦後政治史を含め、政治家と官僚の関係など、勉強になった。題名から推察されるとおり、とても辛口な筆致だが、的を射ていると思う。2013/08/24
スミノフ
11
政治過程論の研究をベースに、自民党政権の政策アウトプットが生み出される過程を紐解いた作品。またポピュリズムの分析のくだりは、本書が小泉純一郎政権の人気と郵政解散の熱狂が日本を包んでいた頃という背景もあいまって、克明に印象に残るものでした。自民党政権のアウトプットにおける公明党の存在感の指摘は、詳細な言及は避けますが、15年たった今でも考えさせられるものです。2006/03/20
Ex libris 毒餃子
10
小泉構造改革までの日本政治過程論の本。自民党政治のあり方を論じた後、これからの政治のあり方について意見を述べている。 この頃から、「安倍晋三憎し」なので筋金入りだと心底思う反面、政治分析に関しては理論立っているので、イデオロギー性を排して欲しいと思う。2021/11/28
がっち
5
良書。政治過程論はここにあるといってよい。自民党型の政策決定過程とは一体なんであるか。戦後の政治とは一体どうあるべきで、どうであるのかということがわかりやすく書いてある。民主党政権になってから、そして自民党政権になっている現在、これを読まないで政策を語るのはよろしくない。2013/04/25
takao
3
ナイーブだな。2024/02/15