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内容説明
古代ローマでつくられた似非ギリシャ美術から、現代巨匠の贋作まで、欲望と嘘に彩られた「芸術的詐欺」が巻き起こしたスキャンダルは数知れない。元メトロポリタン美術館長にして慧眼の鑑定家が語る贋作者たちとの頭脳戦。
目次
鑑定家、贋作者、そして贋作をどう語るか
かるはずみな古代
偽造された中世
ルネサンスとバロックのごまかし
ヴィクトリア朝のペテン
贋作の黄金時代―いま!
ある画家との出会い
わが修業時代
本物のプロ
ヴォルフガングを叩きつぶす〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
89
著者は弱冠35歳でメトロポリタン美術館館長に就任、1977年まで約10年間務めたトマス・ホーヴィング。やや自慢ぽいのが気にならないわけではないが、キュレーター時代の経験も含め、実務に裏打ちされた知識に基づく話に引き込まれる。欧米の美術館の美術品蒐集の実態なども窺えて面白い。それにしても世の中に出回っている美術品の40%が偽物かそれに類した物とは!贋作者と鑑定家のせめぎあい、贋作を美術館や金持ちに売りつける仲介者(詐欺師)の活躍?が何とも面白い。偽物を作るにも時代の美術への造詣が深かくなくてはならんとは。2022/03/06
VAVA
2
贋作者を応援していた おもしろかった2016/12/04
Yoshito Tsujii
2
人が騙される要因はニード、スピード、グリードの三つだと著者は喝破する。それにしても世の中に出回る美術品の四割程度は贋作とは驚き。2014/03/15
夏子
2
美術界の贋作の歴史に吃驚。有名な美術館の作品に今でもニセモノが混じっているのかと思うと不思議な気分。2014/01/24
のの
2
ホーヴィングは時々鼻につくけれど、やはり話上手。 贋作に騙されるときはNEED、GREED、SPEEDによって目が眩まされるから。確かにそうだけど、騙されるんだよね。とりあえずはホーヴィング言うところの10のチェックを怠らないことや交渉か。10のチェックポイントは私でもできるところは、今度からやってみよう。 美術館に贋作は紛れている。美術館は権威ではあるけど、完璧ではない。そういえばN先生も一緒に美術館行ったとき、これは多分…と言ってたなぁ。2010/04/11