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内容説明
生き残ったことの「罪」、人間であることの「恥」、それでもきっと「希望」はある―アウシュヴィッツから生還し故郷トリノで再生したユダヤ人作家レーヴィ。あなたはなぜ死を選んだのか。
目次
イタリアの雪
身勝手な死
敵意の時代
ポー街
不純物
むこう側
ブナ
霧の朝
単純明快?
恥〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ27
25
呻吟を繰り返しながら読んだ。レーヴィの人となりは以前Eテレで放映されたのを見て覚えている。アウシュビッツで最後の生存者3人のうちの一人、化学者であり、パルチザンに身を投じて祖国に炎を燃やしたのにユダヤ人という事で投獄された。ガス室の事を全く公にすることなく40年間想像を絶するようなルサンチマンの時間を生き続け自死した。筆者は彼の墓に参り囚人番号しか記されていない墓石に思いをはせる。自らの兄2人も政治犯での拷問の中で生きた。呟かれる言葉一つ一つが余りにも研ぎ澄まされ、ひりひりして逐一感想を述べられない。2014/10/31
扉のこちら側
21
初読。タイトルから紀行文のような読み物を予想していただけに、内容の濃密さに脱帽。ホロコーストの生還者で、化学者・文学者のレーヴィの墓参から始まり、ナチスと旧日本軍、著者の兄弟(「北」のスパイだと疑われ韓国で投獄された)、ホロコーストの様々な研究書についてなど。ガス室や慰安婦はなかったとする人々への洞察が鋭い。『「こちら側」の人々は保身や自己愛のために、浅薄さや弱さのために、想像力の貧しさや共感力の欠如のために、証人たちの姿を正視せず、その声に耳を傾けようとしないのである。』2012/12/16
hnk
4
イタリア文学棚にあったので。トリノのレーヴィの墓を訪ねる道中に、彼の人生と作品、そして他の地や時代にも影を落とす強制収容所への考察が挿入される。やるせなさと怒りが全編に漂っているように感じた。2011/09/13
瀬希瑞 世季子
2
"世界は依然として断絶したままである。それどころか、断絶はますます絶望的なものになっている。むこう側とこちら側とでは、「愛」や「人間」という言葉の意味さえ互いに通じないのだ。"2023/02/22
takao
2
ふむ2023/01/16