• ポイントキャンペーン

朝日選書
物理屋になりたかったんだよ―ノーベル物理学賞への軌跡

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 184p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022598196
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0342

内容説明

小児麻痺を克服して、苦学しながら一高・東大と進み、ほとんどビリに近い成績で卒業した著者が、実験家として大成するまで。「国民の血税を使って宝くじを買うみたいなプロジェクトはだめだ」「共同研究はだれかが本気になって責任をとる形をとらないとうまくいかない」など、著者の、長期的な見取り図を描く先見性、強力なリーダーシップ、キーパースンを見極める洞察力などが、あますところなく語られている。朝永振一郎をはじめ、元共産党副委員長の上田耕一郎、作家・遠藤周作、音楽評論家・遠山一行と、夫人でピアニストの遠山慶子などとの多彩な交友とエピソードも紹介。

目次

1 超新星ニュートリノを捕まえた!
2 カミオカンデという装置
3 少年時代
4 「物理屋になりたかったんだよ」
5 喧嘩の仕方
6 物理屋はコスモポリタン
7 最後に夢の話をしよう

著者等紹介

小柴昌俊[コシバマサトシ]
1926年生まれ。1951年東京大学理学部物理学科卒業。Ph.D.(ロチェスター大学)、理学博士(東京大学)。シカゴ大学研究員、東京大学原子核研究所助教授、同理学部助教授を経て、1970年同教授。1987年定年退官後、東海大学教授(1997年まで)。ヨーロッパでの国際共同実験を開拓したほか、「カミオカンデ」で超新星爆発からのニュートリノを世界ではじめて観測して、「ニュートリノ天文学」という新しい学問分野を切り開いた。仁科記念賞、朝日賞、学士院賞、藤原賞、文化勲章、ウルフ賞(イスラエル)、パノフスキー賞(アメリカ物理学会)など受賞歴多数。2002年、ノーベル物理学賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mae.dat

205
タイトルは文化勲章を授与した際に南部せんせーからFAXされた言葉。分厚い本を床に開いたまま、仰向けに寝そべり、天を見上げているサルと共に。南部せんせーの洒落っ気ナイスですね( ¨̮ )。小柴せんせーは人に恵まれていますね。高校の校長が朝永せんせーと繋がりがあり、校長は朝永せんせーを(‼︎)「どれくらいできる人か分からないけど」と断りを入れて紹介状を書いて貰ったとか。ファイマンせんせーと仲が良かったんだって( ¨̮ )。小柴せんせーが名誉杉並区民になった時、儂も住んでいて、何となしに誇らしかったなー。2021/12/12

nbhd

18
ニュートリノの発見でノーベル賞をとった小柴さんの自分語り。科学に偏らず、小柴さんの人柄にふれたかんじがして、読み物として思いのほかおもしろかった。小柴さんは、けんか上手、外交上手で、フトコロが広い。読んでいるとだんだん、小柴さんが茶目っ気たっぷりのヤクザのように思えてくる。好きなエピソードは、外国人の女性に日本の猥談を英語で伝えたことで英語が上達したという話(猥談はp132に全文掲載!)。ノーベル物理学賞をとった朝永さんとは艶っぽい話で盛り上がったそうだ。2021/06/26

satochan

2
カミオカンデが神岡んで、だったことをいまさらながらに知った。準備があるから、偶然のできごとであろうが、感知することができる。準備がなかったら気づくこともできない。複線をはる、おかしいと思ったことはちゃんと言う、大切な要素だなと思った。小柴さんはAだからできないというよりは、Aの中でいかにそれを越えようとするかを考えていけた人なのかもしれないな。南部陽一郎さんとか有名な科学者と考えたり話せたりできる環境は素敵だ。「意見を聞かれたときには思っていることをちゃんと言わないとバカバカしいではないか」2012/06/11

hazama

2
国民の血税を使って宝くじを買うみたいなプロジェクトはだめだ=無駄をせず、精密でありながら、融通の効く装置の誕生。→準備万端で世界一の結果が取れました。100年経たなきゃ役に立つかどうかは解らないってのも真実だけど、やるかやらないかの判断基準はそこじゃない。 小児麻痺で本当に大変だったことや、強いパーソナルの形成も興味深い。 あと、南部陽一郎氏の天才っぷりが随所に。トッポニウム等、南部氏の考えは普通の人には10年経たないとわかってこない、ってこの普通は小柴氏なんだろう。本当の一般人な自分は、50年くらい2011/04/28

Happy Like a Honeybee

1
小児麻痺のハンディを乗り越え、ノーベル物理学賞を受賞するまでの経緯を。 東大卒業であるが成績はビリに近い。エリートとは言い難い小柴氏の半生は参考になる。やはりリーダーシップこそあらゆる職業や組織で必要とされるのであろう。現場におけるケンカの作法など、ビジネスマンも活用できる。2014/12/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/37107
  • ご注意事項