講談社現代新書<br> 大英帝国―最盛期イギリスの社会史

講談社現代新書
大英帝国―最盛期イギリスの社会史

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  • サイズ 新書判/ページ数 208p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061489349
  • NDC分類 233.06
  • Cコード C0222

内容説明

七つの海の支配者、世界の工場―大英帝国は「高度文明社会」の幕明けを告げた。観光旅行、ヴァラエティ・ショー、センセーショナルなマスコミ。消費ブームに沸く大衆社会化現象の一方で、宏大な植民地と、「二つの国民三つの階級」を内包した帝国の矛盾が、露呈し始める。

目次

1 「高度文明社会」の幕開け
2 二つの国民・三つの階級
3 版図からみた大英帝国
4 「ジャックと豆の木」と大英帝国
5 福祉国家への道―「支配の構造」改革
6 大衆社会化現象と庶民生活
7 大衆社会の舞台装置
年表
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

61
30年以上前の著作で、25年前に入手したが、豊富な図版を中心にパラ読みだった。今回通読して、これはびっくりなぐらい面白かった。なにしろヴィクトリア期でこれだけ手軽に読める社会史の本は少ないし、バランスも良い。語り口は穏やかで軽妙、でもきちんと痒いところに手が届いている。しかもナイチンゲール、『ジャックと豆の木』の裏解釈と仕掛けも多く飽きさせない。先に書いたように図版も多く、20世紀の社会保障まで届く叙述は、特に「あとがき」の(30年前の)未来予測が、今の現実をかなり言い当てていることも含め、傾聴に値する。2020/11/03

TATA

34
戦後多くの植民地を失いながらもいまだに大国の風情を漂わせる英国。確かに栄華を誇った名残として大英博物館やナショナルギャラリーは世界中を陳列しているのだろうが、翻って英国内の格差を見ればやけに矛盾を内包しているように感じる。そんな複雑なパズルを解くための一つの見方を示してくれる一冊でした。今更だけど欧州は何かと複雑だねえ。2018/04/05

jj

3
まさか英国の帝国主義をジャックと豆の木で説明するとは思いもよらなかった。しかも自分の知ってるジャックと豆の木は簡略版であったことを初めて知った。ヴィクトリア時代を中心に大英帝国の繁栄と衰退の始まり、特権階級の娯楽の大衆化等々興味深い内容が多く楽しめた。2015/12/08

櫻井勇一

2
所々日本語がおかしいと思われる部分もあったが、非常に分かりやすく述べられていた。 サッチャーや保守派の人々は決まり文句として「ヴィクトリア朝時代は良かった」と言ったそうだ。レッセ・フェールに基づく自助の精神の事を指しているのだろう。しかしヴィクトリア朝後半期からナショナル・ミニマムの潮流が生まれ、現在に至る福祉国家としてのイギリスが成立しているのは当然の流れであった。そう考えるとヴィクトリア朝の自助の精神を良しとすることは、現代的ではないかもしれない。衰退の100年にあるイギリスは今後どうなるのか。2018/12/01

えりっくま

2
大英帝国、主にヴィクトリア朝の社会史をざっと俯瞰出来る感じ。高校の世界史で習った事を思い出しつつ楽しく読めた。イギリスではナイチンゲールが日本における夏目漱石的な立ち位置(先駆的で当時の遺習を批判した偉大な人物であり、10ポンド紙幣の肖像に使われ身近な存在)である事は初めて知った。ナイチンゲールの生涯や著作を通して19世紀イギリス社会の実態を追う所と、『ジャックと豆の木』の物語から当時の社会の階級差別や植民地主義・帝国主義の精神を読みとる所が特に面白かった!^^2011/12/14

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