内容説明
高貴かつ野蛮なブラッディ・スポーツとは何か。「娯楽」から「スポーツ」へのプロセスをあざやかに解明するユニークな考察。
目次
プロローグ―英国スポーツ史への誘い
第1章 知られざる英国スポーツ
第2章 闘鶏―高貴さと野蛮さ(ロイヤル・パスタイム;闘鶏とジェントルマン;アニマル・スポーツの諸相 ほか)
第3章 拳闘―私闘から競技へ(チャンピオン登場;批判と禁圧;プロモーターたちの暗躍 ほか)
第4章 近代スポーツの誕生とモラル(ブラッディ・スポーツの隆盛を支えたもの;改革の成果と限界;ブラッディ・スポーツの遺産 ほか)
エピローグ―いまだ書かれざる「スポーツ社会史」に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
げんなり
3
スポーツってなんだろうと、とりあえず読んでみた。 表紙にある「『娯楽』から『スポーツ』へのプロセス」というところが気になってたのだけど、思いの外社会的な話で、例えば個人とか小さな集団というのではなく、文化史として扱えそうな内容だったので驚いた。球技の成り立ちを調べると案外暴力的なものもあるのだけれど、この英国における『ブラッディ・スポーツ』、動物を使ったもの、素手で殴り合う拳闘など、それが広まったり、逆に衰退したりするその理由が様々な社会的な要因の組み合わせに因るものだとするのが面白かった。2023/08/15
れ
1
スポーツ史における闘鶏や拳闘といった「ブラッディ・スポーツ」に焦点を当て、英国スポーツの近代化の過程における「モラル」を語り出そうとする試み。ウィリアム・ホガースの風刺画が印象的だった。2014/11/17
わにさん
0
暴力性をもった娯楽からスポーツへ。ブラッディ・スポーツと言われても今日のスポーツとは印象が違いすぎるが、読みやすかった。この時代に上から暴力を禁止するということはスポーツに限らずある話だけれど、民衆の感覚が変わらなければ本書で書かれていた闘鶏のように裏で行われる。それがいつの間にか裏でも行われなくなるというのは、民衆レベルでの近代化とどう関わりがあるのか興味深い。関係ないのかもしれないけど…貴族は早い段階で参加しなくなったって書いてあったし関係あるんだたぶん。2015/02/09