内容説明
「自分って何?」の答は、聞き手に自己を物語る中で形成される。“自分”を見つめ直し、たしかな生き方をつかむ方法を説く。
目次
1章 自分がわからない―物語不在の時代
2章 自己物語はアイデンティティをつくる
3章 自己物語は聞き手によって形成される
4章 アイデンティティは語った言葉に左右される
5章 自分を変えたいとき―聞き手を変えれば自分も変わる
著者等紹介
榎本博明[エノモトヒロアキ]
1955年、東京生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東京都立大学大学院中退。心理学博士。現在、大阪大学助教授。自己心理学の確立をめざして活動中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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13
人はそれぞれ自分の自己物語の中の主人公である。そのため、自己物語の中の役柄が不明確であると、その自己物語の中で何をして良いかわかならくなり、悩む、という結果になる。自分はどうありたいのか?を再考してみたい。2016/10/28
ソーシャ
4
タイトルは少し胡散臭いですが、「自己物語」の概念について理解を深めるため読んでみました。確かに繰り返しが多いですが、私の心理学の理解が少し統合されたような気がします。タイトルには「本当の自分」は「探すもの」ではなく「作るものだ」という主張が入っているということに読んでいる途中で気づきました。2013/11/24
あ
3
図書館の返却期限が迫ってたので急ぎ目に。 自己物語を誰かに語ると言う形で認識を強めると言う構造。聞き手の理解を得ようと話し方を工夫し変えていくことで新しい自己物語が形成されると言う視点に驚き。 じぶんらしさは他者からの承認なしには成り立たない(自分の人生を生きやすくすると言う構造状)と言うこともなるほど。2019/01/16
どりー
2
人生における選択肢が増えたからこそ、自己確立が難しくなる。贅沢な悩みのような気もしますが、自分がなんなのかという問いは永遠の課題だと思います。本当の自分を理解できていたら、人生そう苦労しないですよね笑 日々生きる中で自分を模索していきたいと思えた1冊でした。2020/12/29
山崎にう
2
図書館本。アイデンティティを持つとは自分の物語を持つことである。では、自分の物語を持つにはどうするのか? 他人に自分を語ること、他者にどのような自分を見せるのかを自分で決定することを通して、人は自分の物語を持つ。つまり、他者との語りを通して、人はアイデンティティを確立するのである。そこで、自分を変えるには他者に語る自分を変えることが効く。それには聞く他者を変えるのが一番手っ取り早い。人は相手によって語る自分を変える特性があるからだ。著者はカウンセリングの効用を説く。…私もカウンセリング受けたくなってきた。2017/12/20