講談社現代新書<br> 「戦争学」概論

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講談社現代新書
「戦争学」概論

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  • サイズ 新書判/ページ数 301p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498075
  • NDC分類 391
  • Cコード C0231

出版社内容情報

「平和」を守りたいなら「戦争」を学ぼう。地政学から見た国防戦略の理論、戦争態様の変化など必読の「戦争入門書」。「愚かな戦争」は「愚かな政治家」が起こす!
日本軍の敗因を前著『参謀本部と陸軍大学校』で喝破した著者が、戦史から導いた「戦争回避」の原理

戦争学を学んでいないのは日本の政治家だけである
多くの日本人は誤解しているが、暴走するのは軍人だけではない。世界の歴史を見れば、戦前の日本は特異な例とすら言えるのだ。政治家がみずからの野望や誤った判断によって戦争を起こし、無用な犠牲の拡大をきたした例のなんと多いことだろうか。こうした事態を防ぐために、欧米の大学には戦争学あるいは軍事学の講座がある。ロンドン大学のキングズ・カレッジには戦争学部も設けられている。こうして少なくとも戦争学の基本を大学で学んだ者たちが、政治や外交での指導的立場についていく。だから、日本のような幼稚な議論はまず見られないのである。――<本書より>

第一講 地政学と大戦略
第二講 二十一世紀への地政学
第三講 ナポレオン戦争とクラウゼヴィッツ
第四講 第一次世界大戦とリデルハート
第五講 第二次世界大戦と絶対戦争
第六講 核の恐怖下の戦争――冷戦
第七講 局地制限戦争とゲリラ戦
第八講 二つの新しい戦争――イラク戦争
第九講 アジア太平洋の戦争学


黒野 耐[クロノ タエル]
著・文・その他

内容説明

「愚かな戦争」は「愚かな政治家」が起こす!日本軍の敗因を前著『参謀本部と陸軍大学校』で喝破した著者が、戦史から導いた「戦争回避」の原理。

目次

第1講 地政学と大戦略
第2講 二一世紀への地政学
第3講 ナポレオン戦争とクラウゼヴィッツ
第4講 第一次世界大戦とリデルハート
第5講 第二次世界大戦と絶対戦争
第6講 核の恐怖下の戦争―冷戦
第7講 冷戦下の制限戦争とゲリラ戦
第8講 二つの新しい戦争―イラク戦争
第9講 アジア太平洋の戦争学

著者等紹介

黒野耐[クロノタエル]
1944年愛知県生まれ。防衛大学校機械工学科卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上幕僚監部調査部部員、第二特科群長などを経て99年、陸将補で退官。教官として防衛庁戦術研究所に入所、戦史第二部監察官となる。2004年から武蔵野学院大学の講師をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

37
戦争反対。しかし、その戦争のイメージは70年前で停まっているのでは?。本書は近代戦の発端、ナポレオン戦争から、第一次、第二次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争を踏まえ戦争と対策を考察する。ナポレオンの決戦戦争(全戦力の壊滅)のセオリーが近代兵器により予想外の悲劇を招き、後に核によって限定戦争しか出来なくなった。そしてハイテク兵器により徴兵は無用となり、テロによって戦場の概念が霧散した。しかし戦争形態が変わろうが、政治と軍事が一体でかつ適正でない限り誤った結果しか起こらない。政治とは国民の意思なのだ。2015/08/13

James Hayashi

32
防衛大卒、陸上自衛隊、陸将補で退官、防衛庁戦術研究所入所、05年著。戦争を語る上で地政学の大切さを感じる。それだけでなく、いかに戦争が政治との関わりがあるかも感じながら、大きな戦争を見ていく。軍人だけでなく政治家も地政学と戦争学なるものを学んでいかなければなるまい。2019/04/19

樋口佳之

27
自衛官はすべて戦後の民主主義教育をうけて育った者たちであり、民主主義の常識をもっている。/かつては大きな大きな枠組の中ではこうした見方に納得もしていたのだけど、最近のあの方この方を見るにつけここがかなり心配。2019/06/17

小太郎

16
地政学の立場から戦争を不偏的に捉えた良書。2005年の本ですが今読んでも後半に書かれた日本の立ち位置に関しての推敲は少しも古臭くありません。「戦争を避けるためには戦争を知らなくてはなりません」こんな当たり前の事が戦後一顧だにされなかったのは日本の歪んだ教育政策のせいなんだろうか?あまりにも前の大戦のトラウマが大きかったせいなのか?この本を読むと色々考えさせられます。これほどすっきりと色々な戦争の発端、動機、経過、結果そして戦争自体の変貌、未来への展望が書かれた本は初めてでした。2020/10/06

OjohmbonX

7
戦争の思想や戦略の変遷を、ナポレオン戦争~イラク戦争の具体例から地理的・技術的条件を交えてロジカルに、かつコンパクトに解説される。優れた解説である一方、戦争をロジカルに整理しようとすると不可避的に、国家間の損得勘定のゲームとして抽象化してしまう。そのことを相対化しない限り、ロジカルであることがあたかも「正しく」見せてしまうために、語る本人でさえその限定的な正しさを全面的な正しさと混同してしまう。現状への提言でこの部分最適の狭さが発現する。それでも特定の軸での見方(戦争のロジック)を教えてくれる有用な本だ。2017/09/09

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