講談社現代新書
憲法「押しつけ」論の幻

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061498501
  • NDC分類 323.14
  • Cコード C0221

内容説明

終戦直後、在野の「憲法研究会」が起草した画期的な民主主義的憲法の草案。それこそが国民主権・象徴天皇のルーツだった―史料を丹念に読み解き描き出す、憲法成立の真相。

目次

第1章 憲法研究会
第2章 鈴木安蔵の自由民権運動研究
第3章 鈴木安蔵と憲法研究会の天皇構想
第4章 ラウエル中佐と総司令部民政局
第5章 ラウエル「所見」とマッカーサー草案
第6章 ノーマンという媒介者
第7章 「象徴天皇」をめぐって
第8章 憲法研究会の「象徴天皇」

著者等紹介

小西豊治[コニシトヨハル]
1948年石川県生まれ。中央大学法学部を卒業後、明治大学大学院政治経済学研究科博士課程修了。専攻は日本政治思想史、日本法制史。明治維新史学会会員、法制史学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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きいち

26
明治の自由民権運動の基本テーマが日本国憲法に流れ込んでるなんて、えらいワクワクさせられるな。間に立った鈴木安蔵・ノーマン・ラウエルの存在も、大状況に個人が寄与できることの大きさに限度がないことを実感できて気持ちいい。鈴木ーノーマンの個人ネットワーク、そう生きるのか、と。◇押しつけ、とは所詮、現在の時点での過去に対する意味づけ。いくら事実を提示しても、そのフィールドで闘う限り、けっして押しつけ論側の魔は祓えない。そんなことを狙うより、まず護憲側の気持ちを高めよう、そういう狙いのタイトリングだな、成功してる。2016/08/12

叛逆のくりぃむ

7
 鈴木安蔵を中心とする憲法草案がGHQ案に影響を与えた事実について触れられているが、GHQが圧力で以て、GHQ案を日本国政府に呑ませた事実にも触れられているため、所謂「憲法押し付け論」の反証としては弱い本ともいえる。2016/06/18

Riopapa

5
国民主権という考え方が,植木枝盛らの自由民権運動にすでにあり,それが鈴木安蔵ら憲法研究会の憲法案を経て,日本国憲法に入れられた。なるほどと思うが,結局,日本側から出てきた様々な憲法案の中から良さそうなものをピックアップして,GHQの草案に入れていったということなのではないか。ちょっとタイトルが?2013/05/31

浅井秀和 「不正規」労働者

3
日本国憲法の核心は国民主権であることと手厚い人権保障である。なぜなら、国民主権を憲法に書き込んだのは日本の高野岩三郎、鈴木安蔵ら日本の学者らであって、彼ら学者は、国民主権を明治初期の植木枝盛の日本国国憲案から受け継いでいる。日本を占領したGHQのマッカーサーやアチソンの大日本帝国憲法改正の要求の原則には天皇の大権を制限することは決まってはいるものの、国民主権は存在していなかった。日本国憲法は明治の初期の自由民権運動の国会開設・憲法制定を要求した運動の達成とみてよい。そう言い切っていい。2015/05/14

Yasuhisa Ogura

3
日本国憲法に対しては、何かと批判が多い。その一つとして、この憲法がアメリカに押しつけられたものというのがある。本書は、民間の「憲法研究会」が作成した憲法草案が、GHQに影響を与え、そして日本国憲法が作成されたと反論する。特に「国民主権」と「天皇の地位」に関しては、大きな影響を与えたとする。個人的には、憲法草案を過大評価しているようにも思うが、日本国憲法には日本の民権運動の歴史が反映されているのも事実だろう。それにしても、民間の憲法草案まで研究していたGHQの占領政策は、「さすが」と言わざるを得ない。2014/08/01

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