講談社学術文庫<br> 万葉の伝統

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講談社学術文庫
万葉の伝統

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  • サイズ 文庫判/ページ数 365p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061588554
  • NDC分類 911.102
  • Cコード C0195

内容説明

本書は、万葉集の素朴・直截な純粋さ、重厚な肉体的感動といった自由で強烈な万葉精神が、日本の抒情詩の流れの中でいかに受け継がれてきたかを、古今的・新古今的伝統との対立とからみ合いを通して捉えようとした。万葉の伝統を全体的歴史的に展望し、中・近世の実朝、良寛、宣長、また近・現代の晶子、左千夫、茂吉、光太郎ら先人の業績に万葉への憧憬と復興の情熱を探る。万葉の美とその現代的意義を問い直した文芸評論の名著。

目次

1 全体的展望(万葉の伝統―古今的・新古今的伝統にたいして)
2 中世・近世において(新古今集の美的構造―危機における芸術;歌論の形成―日本における文芸評論の成立;実朝論―実朝をめぐる斉藤茂吉と小林秀雄;近世抒情詩における短歌の位置;近世短歌の究極処―良寛のいわゆる“万葉調”をめぐって;“もののあはれ論”について)
3 近代・現代(近代短歌成立以前;『みだれ髪』論―近代短歌史の光栄;伊藤左千夫論―抒情詩論への一寄与;左千夫・茂吉・御風―良寛論をめぐって;高村光太郎論―日本近代文学の古典期;斉藤茂吉の“悲しきWonne”をめぐって;現代俳句への疑惑―草田男の『来し方行方』批判;衰弱した歌・その再建―歌と民主主義;小野十三郎『詩論』―詩の批評性と短歌的抒情)