講談社学術文庫<br> 科挙の話―試験制度と文人官僚

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講談社学術文庫
科挙の話―試験制度と文人官僚

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  • サイズ 文庫判/ページ数 253p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061594265
  • NDC分類 322.22
  • Cコード C0122

内容説明

隋唐時代に始まった官吏登用試験、科挙。高級官僚になり、名誉と財産と特権を得るために、どうしても通らなければならない狭き門であった。この制度の歴史と実態を唐宋を中心にして解明し、韓愈・柳宋元・白居易・蘇軾ら受験競争の中に生きた知識人たちの姿を興味深いエピソードを交えながら描き出す好著。

目次

序章 科挙とは何か(都大路の春;科挙の由来とその理念)
第1章 エリート官僚への道―歴代の官吏任用法(科挙がはじまるまで;さまざまなコース ほか)
第2章 巨大化する科挙―試験のしくみと実態(中央および地方の試験場;レベルの違いをどうする ほか)
第3章 どんな試験が行われたか(いろいろな試験種目;経書の試験 ほか)
第4章 科挙制度の光と影(試験を受けるまで;えこひいきと事前運動 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

もち

5
2年ほど前に読もうとして放置していた本を読んだ。ざっと把握するのによいか。宮崎市定先生の本などにも当たろうかと思う。2017/04/12

シロクマぽよんぽ

4
試験科目、試験日程、採点方法、採点基準、倍率、都市と地方の格差、試験の種類と出世コース、合格祝の曲江の宴。他人の答案の代作で活躍(?)した温庭筠。受験勉強で老けこみ、父の死で受験機会を一度失った白居易。適当な対応のせいでトラブルを起こし、受験生に殴られた試験監督。唐代の試験前の売り込み。答案のすり替えがばれて死刑になった者、カンニングブックを持ちこむ業者、科挙に落ちたからこそかえって命が救われた者。……科挙に関わる悲喜こもごも。2023/12/13

in medio tutissimus ibis.

3
『中国の試験地獄』が制度の完成した時代の受験生の苦労を語るものなら、こちらは唐宋時代の制度が固まっていく過程の時代の皇帝以下試験管たちの試行錯誤を語るものである。本書の扱うのが唐宋時代と言っても、唐代には未だ残る貴族政へのカウンターとして共存しつつ黎明期故のどこか牧歌的な雰囲気をまとっていたのに対し、宋代には天子独裁政のための道具として峻厳な公平性を纏うに至っており、それぞれの時代に異なった問題意識をもって運営されていたことが分かる。原本にあった時代色が抜けているらしく、こちらの方が読み易いのではないか。2018/10/09

むむむ

1
科挙といえば、過酷な試験であるという程度の認識しかなかった。確立した官僚機構を構成するには不可欠な要素であるが、形になるまでの紆余曲折には様々なドラマがあり、読み物としても面白い。特にカンニングにまつわるところが傑作である。 知識を問うことはもちろん、詩作の才能も重要であるというのは特徴だと思うが、確たる知識に基づく感性も評価する試験は大事だなと思う。とはいえ、採点は大変だろうな。だからこそ、良い作品でも形式ではねられてしまうというのには納得がいくものの、思うところはある。2023/01/11

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