内容説明
山岳を神霊、祖霊のすまう霊地として崇め、シャーマニズム、道教、密教などの影響のもとに成立した我が国古来の修験道―。筆者自らが現場に立ち合って調査した、臨場感あふれる興味深い論考。開祖役行者が修行したとされる吉野を中心として、修験宗各派の教義と活動の場を詳細に比較研究し、「行」の重要な役割を浮き彫りにする。
目次
第1章 修行の種類と構造(修行の定義;世界の諸宗教の修行 ほか)
第2章 修験道の歴史と修行(修験道の成立と修行;修験霊山の成立と修行 ほか)
第3章 現代修験教団の修行(得度・受戒;本尊と勤行 ほか)
第4章 大峰山の修行と祭(大峰の自然と社寺;大峰修行の歴史 ほか)
第5章 修行の構造と思想(山岳修行の構造;修験道の修行と思想)
著者等紹介
宮家準[ミヤケヒトシ]
1933年東京都生まれ。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。現在、国学院大学文学部教授。慶応義塾大学名誉教授。日本宗教学会会長。著書に『修験道儀礼の研究』『修験道思想の研究』『修験道組織の研究』『熊野修験』『日本の民俗宗教』など多数がある
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感想・レビュー
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i-miya
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2012.10.09(初著者)宮家準(ひとし) 2012.10.09 仏教=「行」と「学」から成り立つ。 これまでの仏教は、「学」に偏重。 「行」あっての「学」。 (本書) 第1章、「修行の種類と構造」。 (1)修行に関する私の見かた(山口偉一他『宗教学辞典』(国書刊行会)「修行」に加筆)、 第2章、修験道の歴史と修行。 第3章、「現代修験教団の修行」(1)本山修験宗、2012/10/09
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2012.10.06(初著者)宮家準(ひとし) 2012.10.06 (カバー) 山岳を神霊、祖霊のすまう霊地として崇め、シャーマニズム、道教、密教などの影響をもとに成立したわが国古来の修験道。 自ら現場にたち、調査、開祖、役行者の吉野中心に各派を比較、『行』の役割が鮮明になる。 (宮家準) 1933、東京生まれ。 東大、文学博士。 国学院大学教授。 日本宗教学会会長。 2012/10/06
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2012.10.16(つづき)宮家準(ひとし)著。 2012.10.06 平安後期、白河上皇ら、歴代上皇、熊野参詣、吉野と熊野、鎌倉時代に入ると、修験者の拠点となる。 南北朝期、南朝を支える吉野。 室町、熊野の修験は、熊野三大検校を重代職とした天台宗門派園城寺末の聖護院に掌握され、やがて本山派という教派が形成された。 一方、近畿地方諸大寺に依拠した修験者は、大峰山中、小笹に本拠を置き、当山正大先達衆と呼ばれる結社を形成した。 2012/10/16
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2012.11.03(つづき)宮家準(ひとし)著。 2012.10.09 (2)真言宗醍醐派。 (3)金峯山修験道本宗。 ※信者が、教団に所属して修行を重ね、専門の修験者になり、救済活動に入る順序を示す。 (1)得度、受戒。 (2)本尊と勤行。 (3)衣体。 (4)入峰。 (5)灌頂、柱源護摩。 (6)供養法。 (7)採(柴)灯護摩。 (8)加持祈祷。 (9)主要行事。 2012/11/03
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2012.10.14(つづき)宮家準(ひとし)著。 2012.10.13 (大峰山) 「葛城山の修行と灌頂」 外国人の研究者を考慮したうえでの内容となっている。 第5章、第1節。 第1章、修行の種類と構造。 1.修行の種類。 修行は理想達成のため、行われる心身の訓練をいう。 職業的な技術を見に付ける修業と、行動を通して、心を鍛える修行。 2.世界の諸宗教の修行。 修行はほとんどの宗教に見ることができる。 古代宗教では、オルフェウス教や、ピュタゴラス教の亢進的な修行。 2012/10/14