新潮文庫
戦火の果て〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 419p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102219232
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

ヨーロッパでの戦いが大詰めを迎えた第二次大戦下の1945年。ドイツ軍の最後の反撃も「バルジの戦い」で頓挫し、戦局の行方は、米・英・ソのどの軍が最初に首都ベルリンに乗り込むかにかかっていた。それぞれの思惑を胸に秘めた、ローズヴェルト、チャーチル、スターリン、三巨頭の駆け引き、各軍司令官の先陣争いも熾烈化していったが―。戦史に血肉を与える戦争ドラマの名編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

365
第2次大戦末期、陥落寸前のベルリンを焦点に描く戦争小説。もちろん小説であるからには淡々と史実を追記するだけではない。本書の構成上の工夫は多層構造にある。すなわち、最上層に戦争の終結と戦後世界を窺う3人のヤルタ巨頭(ルーズベルト、チャーチル、スターリン)たち。下層にはソ連軍懲罰部隊の2人の兵卒たち。空爆下のベルリンを離れられないベルリン・フィルのチェリスト。そして、上層と下層を行き来することが可能な戦場カメラマン。上巻の段階ではソ連軍の兵卒の設定は必ずしも十分な効果を上げているとはいえないが、⇒2020/12/26

NAO

77
1945年1月からベルリン陥落後の5月までを描いた作品。ローズヴェルト、チャーチル、スターリンの思惑と画策という国家的な動きと、将校から降格され懲罰部隊として最前線にいるソ連軍兵士イリヤ、ロバート・キャパを思わせるライフ誌従軍カメラマンチャールズ、ベルリンフィルのチェリストロティーの目を通して見た生々しい戦場やベルリンの状況が描かれていく。感想は、下巻で。2020/11/25

スー

23
57ベルリン侵攻直前をベルリンの女性オーケストラとソ連を懲罰部隊の隊員・ルーズベルト大統領・チャーチル・アメリカの戦場カメラマン達から見ていくので戦争色んな立場から戦争を体験できます。米英ソの戦後の世界の主導権をどちらが握るかの暗闘が早くも始まり、ベルリンを女性オーケストラは空襲とソ連軍の侵攻に怯えてるのに更に母親がユダヤ人を匿っている事を知り今度はナチとゲシュタポに怯えなければならなくなる。戦場カメラマンは戦場での悲惨さを伝えてくれる。下巻へ2023/08/16

ののまる

12
ベルリン陥落3ヶ月前。ソ連軍が東から、ドイツへの憎しみを残虐行為で晴らしながら迫り、西からはイギリスとアメリカが戦後の政治的主導権を狙って追い上げる。自国の国民を粛清しつづけ戦後の世界平和など、さほど眼中にない冷徹なスターリン、共産主義の恐ろしさを危惧するも落ちていく大英帝国の力を感じ焦るチャーチル、平和な理想的世界がアメリカによって出現すると夢見るローズベルト大統領。下巻へ❗️2021/02/05

コージ

4
本作に描かれている内容は全て「本当だ」と思い込んで読む様にすると、素晴らしい。下巻に進む。2023/03/06

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