内容説明
“誰にも伝記は書けないように行動を隠した”文壇の大御所、天才ジャーナリストの気迫。写真で実証する作家の劇的な生涯。
目次
評伝 菊池寛(笈を背負って―出郷;学生時代―友と友の間;文壇へ―記者から作家へ;市民文化の創造―「文芸春秋」とともに;戦中・戦後)
エッセイ 共同体のための小説家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
38
最近菊地寛の短篇にハマっているので拝見。昔、香川県に住んでいた事があるのだが、菊地寛記念館を見ておかなかった事が悔やまれる。貧乏士族の家庭に生まれた寛を支えたものは読書だった。読書を杖に立身した素敵な人だ。苦労人である。ブオトコだったのも良い。他人の為なら大概の事はしてやるカッコイイ人でもあるが、論争したり、偉くなると今東光などに反逆されたりして毀誉褒貶のある人でもある。樋口毅宏『さらば雑司ヶ谷』に『忠直卿』が引用されていた理由もわかった。寛の自宅は雑司ヶ谷にあったのだ。丸谷才一の解説は不要。2015/11/12
ポウ
5
どの話も最後のオチになんとも言えない哀愁があって、久しぶりに本読んで泣きそうになった。最高やね菊池寛! ペンネームは「菊池ポウ」で決まりやね。2016/08/04
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3
明治以降の文學界を牽引し、総合ジャーナリズムの嚆矢となり、今尚文芸に影響を与え続けている菊池寛。名実共に近代文学の第一人者だ。その風貌は凡庸で、その懐は寛容で、親分肌の所が何とも良い。《小林秀雄のいう「理詰めな構成、無駄のない人物の動かし方や会話、人間心理の正確な観察、健康な倫理観」》僕もこのような菊池文学が好みである。2023/05/28
まふ
1
菊池寛、言うほどぶ男かなあ、と写真見るたび思うのだけど、でも夏目先生の言う、シャークのよう、というのはちょっとわかる気がする。若い頃。作家の家族と一緒の写真や家族に宛てた手紙が大変好きなので、新潮文学アルバムシリーズは大好きです。2017/12/10
Yuki
1
水着姿の菊池寛が拝むことができる。さすが新潮アルバム。2016/11/17