出版社内容情報
読める、わかる――21世紀の小林秀雄。
科学にとって「自由」とは何か――昭和23年46歳、理論物理学者・湯川秀樹との対談「人間の進歩について」。さらに終生の先達、正宗白鳥との「大作家論」。他に「骨董」「チェホフ」「『罪と罰』についてII」等。
内容説明
原子の世界は人間の世界とどう結びついているのか―。世界的物理学者、湯川秀樹に発する問、問、問…。さらに生涯の先達、正宗白鳥との「大作家論」。
目次
昭和二十三年(対談/人間の進歩について(湯川秀樹・小林秀雄)
骨董
チェホフ
「罪と罰」について2
現代文学の診断
対談/大作家論(正宗白鳥・小林秀雄))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Haruka Fukuhara
6
湯川秀樹との対談を収録。湯川を科学者として小林を何と呼ぶか難しいところだが、文学者か批評家か。何にせよ二人の真摯な探求者の問題意識がよく噛み合って質の高い対話になっている。戦後すぐ、まだ占領下にある時代だろうか。2017/04/30
masanari
1
湯川との対談は物理の専門の話で理解できなかったが、正宗白鳥との対談は興味深かった。大先輩の正宗に対して、本売れませんねと悪口叩きつつも、そこかしこに尊敬の念が感じられて微笑ましい。2021/11/18
MatsumotoShuji
0
040127
0
再読。湯川秀樹との対談や正宗白鳥の対談が収録されている。湯川が言うように、物理学における観測も(或いは、それ故に?)「信仰」的な次元に至ってしまうということ、恐らく、それは、小林にしても凡ゆる文学的潮流を「様々な意匠」として相対化させることで「もの」そのものを摑み出そうとしたことに似ている。むしろ、両者とも「形式化の諸問題」(柄谷行人)として同時代的な問題の圏内にいたことの証左だろう。白鳥との対談は、むしろ、白鳥の発言の方が面白い。藤村は本当に小説が下手だったとかw2023/08/19
gasamiken
0
難しい 湯川さんとの対談ではやはりどちらも譲らない しっかりとした持論があった 人類の進歩とは!?2019/02/04