内容説明
ヒトと全面的に生活を共にするイヌ、自分に都合のよいところだけヒトから恩恵を蒙るネコ、どれほど嫌われ駆逐されてもヒトに頼って生きるネズミ…。私たちにとって最も身近な動物とヒトとの関わり方は、三者三様に類似点と相違点とを持つ。本書は、著者がこれまで、動物の飼育・観察・研究に携って来たなかで遭遇した、イヌ・ネコ・ネズミの具体的な行動から、私たちがなかなか気がつきにくい側面を採集した、心暖まる逸話集である。
目次
犬はいつから犬になったか?
喋る犬、歌う犬
犬も自殺する
犬も笑うか?
犬は言葉が解るのか?
犬のお伊勢参り
生みの親か育ての親か
犬も幽霊は怖い?
ネコはなぜ猫と呼ばれたか?
ミイラは語る―猫はどうして全世界に広がった?
猫の蚤取り屋
化け猫噺
猫の珍話
鼠と嫁さま
弾正鼠と次郎吉鼠
ペストを防いだ鼠
家鼠盛衰記
鼠の珍談
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オールド・ボリシェビク
5
「高安犬物語」で直木賞を受賞し、イリオモテヤマネコの発見でも大きな役割を果たした戸川幸夫のエッセイ集。身近な動物を語らせたら名人芸だなあ。1991年の刊行で、最新の遺伝子分類学とかを持ち出せば、古臭さも出てしまうのかもしれないが、まあ、それはそれだ。特に犬への、愛情満ちたまなざしは、同じ犬好きとして共感しかありません。しかし戸川さん、忠犬ハチ公の生きた姿をみたことがあるんだなあ。2024/03/15
かりんとー
3
あまり面白くなかった。特に猫。ネタがないのか猫にまつわる言葉を羅列してページをかせいだり。 ネズミはまあまあ面白かった。クマネズミとドブネズミの闘争は興味深かった。2016/10/20
shiro
0
ソースの分からない情報も多く、あまり信用は出来ないと感じた。2014/11/01
挫躯魔
0
著者の犬への愛がひしひしと伝わってきたのにたいして、猫ネズミの扱い方が違いすぎるところも面白い。 どの動物もまだまだ知らないことばかりで、この本で少しは詳しくなれたかな?2014/06/05
とんかつラバー
0
犬や猫はペットとして身近であるが、害獣のイメージしかないネズミについての項目が面白かった。秋茄子は嫁に食わすなというが、この「嫁」とはネズミの事なのだ。またドブネズミやクマネズミの起源なども書かれており、彼らの生態を知れば、人間の周りで大繁栄しているのかも頷ける。2020/02/18