感想・レビュー
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ぷほは
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今ではほぼ顧みられることのないマンハイムやシェーラーだが、現代社会学と黎明期社会学の異同を理解する上ではうってつけ。有名なマンハイムの「存在拘束性」や動的全体性は19世紀末からの歴史主義に対する反省の学だと言えるし、シェーラーのルサンチマンの現象学的分析はそれ自体が仏語に由来する用語を巡ってのドイツ哲学・社会学のルサンチマンのようで興味深い。両者の切り開いた精神史の社会学の地平は、後にマルクス主義の衰退ないし消失と、思想史研究を取り入れた『社会構造とゼマンティク』のルーマンまで待たなければならないようだ。2016/03/11