内容説明
戦後翻訳史を拓いた画期的訳業、未発表・未収録を含む完全編年体翻訳全集、遂に成る!終生心血をそそぎ創作の母胎となった翻訳作品が築き上げる、独創的世界文学史。
目次
マルキ・ド・サド選集2(閨房哲学抄;小説論;ファクスランジュ あるいは野心の扉)
世界風流文学全集5(二つの試練;兄の残酷)
マルキ・ド・サド選集3(ゾロエと二人の侍女 あるいは三美人の数十日間の生活;新ジュスチイヌ抄)
補遺(哀れな水夫)
感想・レビュー
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りだもと
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仏文学者としての澁澤龍彦の成果は、やはりマルキ・ド・サドの翻訳ということになるのだろうが、この全集では彼の仕事が当時の貧弱な出版事情と澁澤自身の語学能力の限界によって大きく制限されていたことを明らかにしている。今まで、色眼鏡ごしにしか見られてこなかった澁澤龍彦の脱神話化と等身大の澁澤像構築のため、この翻訳全集が果たした意味は大きい。あと、小笠原と出口の対談が面白い。(しりとりやったら、澁澤が「マンコ!」といったみたいな話が入ってて、しょーもないなと思いながら爆笑した)2015/02/11