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クジャクの雄はなぜ美しい? (増補改訂版)

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009942
  • NDC分類 481.78
  • Cコード C0040

出版社内容情報

雌雄で展開される美しくも、過激な駆け引き

一夫一婦も「ハーレム」も、見かけほど平和な社会ではなかった! つがい外交尾が頻繁に起き、雌雄の深い対立が見えてきた。他の雄との関係を力で阻止する「配偶者防衛」、交尾時に前の精子を道具で掻き出し、精子とともに毒まで送りこむ。雌雄の「幸せな」相手選びの影に隠れていた、美しくも過激な駆け引きの驚異のバラエティ!


2005年掲載
毎日新聞10/9、朝日新聞11/6、ブッククラブ回2005秋62号

内容説明

「自然淘汰ではどうしても説明できぬ」進化論者ダーウィンの悩みの種が、美しい羽を目いっぱい広げるクジャクの雄。きれいな色の羽をもち美声を奏でる小鳥たち、歌舞伎役者のくまどりのような顔をしたヒヒ、ライオンのたてがみ、シカの角…一般に雄は美しく派手なのに、雌は地味で目立たない。なぜか。「雄間競争」と「雌による選り好み」がその答えだが、この方面の研究が近年、急展開を見せた。雌の選り好みの個性、選り好みの雌雄逆転、一夫一妻やハーレムでつがい外交尾を発見、そして雌雄の対立として「配偶者防衛」や毒の注入が大きな注目を集めている。本書は、このテーマの第一人者が興味深くその最前線の内容を紹介する。13年振りの大幅改定版。

目次

序章 派手な雄と目立たない雌
第1章 性差はなぜあるのか?
第2章 同性間の競争と異性による選り好み
第3章 賢い選り好み
第4章 「美的センス」による選り好み
第5章 選り好みの進化
第6章 選り好みをめぐる疑問
第7章 雌雄の対立と葛藤
第8章 性淘汰の理論をめぐる論争

著者等紹介

長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
1976年東京大学理学部卒業。1983年東京大学大学院博士課程単位取得退学。理学博士。東京大学理学部人類学助手等を経て、早稲田大学政経学部教授。サルの母子関係の研究からスタートし、動物とヒトの性差と進化をめぐる幅広いテーマに取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

49
書名の問の答えは「雌が雄を選り好みするから」。つがいの相手を選ぶ選択権は雌にあり、雄は雌の気を惹くために着飾るのだ。生物は遺伝子の乗り物に過ぎないというドーキンスの<利己的な遺伝子>の通俗的解釈が一世を風靡したため、雌が雄を選ぶのも遺伝子の働きだといわれれば、そういうものかと妙に納得してしまうが、本作が書かれた90年代初頭には雌の配偶者選択の研究は初紹介だった。だからこそ、その新規性と含意が学説と豊富な実例により丁寧に説明され、著者の意気込みが伝わってくる。(何故か鳥の例が多く私の好きなバンも登場する) 2015/03/03

ステビア

8
これは良著。性選択について非常にわかりやすく書いてあります。2014/02/05

Koichiro Minematsu

7
100分で名著に出演されて、その語りに惹かれ、進化論関連本2冊目。性淘汰は面白い。 雄と雌の関係は、同性間の競争。配偶相手の選り好み。雄と雌の葛藤と対立。この3つの軸で解明する。面白い!2015/11/30

うーちゃん

2
内容は多岐に渡り、専門的でもあるが、平易な言葉でわかりやすく書かれている。作者を学会でおみかけしたことがあるが、美しい方だった。最後のtake home messageは分野が違っても応用できそうな内容が含まれている。2013/11/09

kulo46

2
興味深い事例が大量。装飾による選り好みは免疫機能の健全さを選んでいることに繋がるとか、雄が少なければ雌の間でも競争があるとか、雌と雄の対立が進化を加速させるとか。また主観が入ると妥当性が不明なため、主観が入らないように結果・行動だけに注目する(どう考えてという憶測だけで判断しない)というアプローチ自体にも感動。そういえば千鶴子先生も結果だけを観るっていたな。2011/11/13

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