出版社内容情報
雌雄で展開される美しくも、過激な駆け引き
一夫一婦も「ハーレム」も、見かけほど平和な社会ではなかった! つがい外交尾が頻繁に起き、雌雄の深い対立が見えてきた。他の雄との関係を力で阻止する「配偶者防衛」、交尾時に前の精子を道具で掻き出し、精子とともに毒まで送りこむ。雌雄の「幸せな」相手選びの影に隠れていた、美しくも過激な駆け引きの驚異のバラエティ!
2005年掲載
毎日新聞10/9、朝日新聞11/6、ブッククラブ回2005秋62号
内容説明
「自然淘汰ではどうしても説明できぬ」進化論者ダーウィンの悩みの種が、美しい羽を目いっぱい広げるクジャクの雄。きれいな色の羽をもち美声を奏でる小鳥たち、歌舞伎役者のくまどりのような顔をしたヒヒ、ライオンのたてがみ、シカの角…一般に雄は美しく派手なのに、雌は地味で目立たない。なぜか。「雄間競争」と「雌による選り好み」がその答えだが、この方面の研究が近年、急展開を見せた。雌の選り好みの個性、選り好みの雌雄逆転、一夫一妻やハーレムでつがい外交尾を発見、そして雌雄の対立として「配偶者防衛」や毒の注入が大きな注目を集めている。本書は、このテーマの第一人者が興味深くその最前線の内容を紹介する。13年振りの大幅改定版。
目次
序章 派手な雄と目立たない雌
第1章 性差はなぜあるのか?
第2章 同性間の競争と異性による選り好み
第3章 賢い選り好み
第4章 「美的センス」による選り好み
第5章 選り好みの進化
第6章 選り好みをめぐる疑問
第7章 雌雄の対立と葛藤
第8章 性淘汰の理論をめぐる論争
著者等紹介
長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
1976年東京大学理学部卒業。1983年東京大学大学院博士課程単位取得退学。理学博士。東京大学理学部人類学助手等を経て、早稲田大学政経学部教授。サルの母子関係の研究からスタートし、動物とヒトの性差と進化をめぐる幅広いテーマに取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
ステビア
Koichiro Minematsu
うーちゃん
kulo46