出版社内容情報
誰でも「肉体が滅びれば心もなくなるのか」「人間以外にも心を認めてよいか」などと考えたことがあるだろう。また心の哲学は、心理学や脳生理学、認知科学やコンピュータ・サイエンスなどとの関連も取り沙汰されている。にもかかわらず日本では、心身論あるいは心の哲学がよく知られた哲学のジャンルとなっていない。本書はこうした残念な状況を改善するのにぴったりの概説書である。古代から現代に至る主要な心の理論を適切に分類し、丁寧に解説している。英語圏の議論が中心だが、プラトン、デカルト、スピノザなどの古典、更には現象学などにも目
内容説明
“自分は一体何なのだろう？”それがわかっていないことこそ人間の特徴の一つである。西洋の知的伝統から見た心身問題解決の数々。
目次
１ 心身二元論
２ 論理的行動主義
３ 観念論
４ 唯物論
５ 機能主義
６ 二面説
７ 現象学的見方
８ 結論―心身問題をどのように解決したらよいか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アルゴス
4
心身論の議論の枠組みを示した書物で、この分野では大切な本だろう。デカルトの二元論、ライルなどの論理的行動主義、バークリなどの観念論、ディヴィドソンなどの唯物論、バトナムなどの機能主義、ストローソンなどの二面論、ブレンターノなどの現象学に分けて、それぞれの考え方を説明してゆく。わかりやすい概説書としてお勧め。★★★☆2018/01/02
