出版社内容情報
19世紀初のグリム兄弟編「子どもと家庭のためのメルヒェン集」では25話に魔女が登場。著者は「悪い魔女」とあっても、実はいつも未遂におわるむしろマヌケな、そのわりにはむごい最後をとげる老婆の姿を明らかにする。主に男性を動物や石に変える変身魔術が中心だ。
魔女はキリスト教以前からある善悪両面をもつ女神の使者だが、グリムは善い方を賢女とし、善悪ニ元論に立つ。一方、ドイツを中心に16、17世紀に吹きあれた魔女狩りでは、被疑者の8割が女性で、害悪魔術(毒、病気、死、悪天候、性愛上のトラブルをまねく)の嫌
第Ⅰ部 グリム童話の中の魔女
第1章 女の魔女(Hexe)が現れる話
(1)各話の紹介と解釈
(2)女の魔女の話のまとめ
第2章 男の魔女(Hexenmeister)が出現する話
(1)各話の紹介と解釈
(2)男の魔女の話のまとめ
(3)魔女裁判での男の魔女被告
第3章 グリム童話の中で魔女以外で魔術を扱う人々
(1)各話の紹介と解釈
(2)魔女以外の魔術的存在についてのまとめ
第Ⅱ部 現実の歴史の中の魔女
第1章 古代の魔女信仰
第2章 近世の「新しい魔女」
第3章 魔女狩りの犠牲者
(1)概況
(2)現実の魔女被告人──マールブルクでの裁判例──
(3)魔女狩りの実態──ホルン市の場合──
第4章 害悪魔術を使う魔女
第Ⅲ部 グリム童話の魔女と魔女狩りの魔女被告
(1)牛乳魔女
(2)病気や死を呼ぶ魔女
(3)子どもを食べる魔女
(4)性愛魔術
(5)天候魔女
(6)まとめ
おわりに
注
あとがき
内容説明
大地母神の使い、魔女裁判の被告、グリム童話に登場する老婆。史実/伝承/グリムによる近代的家庭像の創出から魔女像の変容と真相に迫る。
目次
第1部 グリム童話の中の魔女(女の魔女(Hexe)が現れる話
男の魔女(Hexenmeister)が出現する話
グリム童話の中で魔女以外で魔術を扱う人々)
第2部 現実の歴史の中の魔女(古代の魔女信仰;近世の「新しい魔女」;魔女狩りの犠牲者;害悪魔術を使う魔女)
第3部 グリム童話の魔女と魔女狩りの魔女被告
著者等紹介
野口芳子[ノグチヨシコ]
1949年大阪府生まれ(旧姓:柊木)。1974年関西学院大学大学院修士課程修了。1977年ドイツ・マールブルク大学大学院にてPh.D.取得。現在、武庫川女子大学文学部教授
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