内容説明
デイム・マーゴ・フォンテーンは、半世紀にわたるプリマ・バレリーナとしての華麗なキャリアを通じて、全世界に踊りのマジックを伝えてくれた。そして本書は、ＢＢＣで放映された同名のテレビ・シリーズから、その端を発したものなのだが、著者はここで踊りのマジックの５世紀にわたる変遷を、実に魅惑的な独自の見解にもとづき披露しているのである。ダスンの歴史をたどりながら著者は、私たちをルイ１４世のヴェルサイユ宮殿へと誘い、さらに１９世紀の帝政ロシアへと案内してくれるのだが、そこに舞うのはイサドラ・ダンカンであり、アンナ・パヴロヴァであり、ニジンスキーなのである。そしてその流星群はヌレエフの成功へとつながっていく。また、ロシアにつづきフランス、デンマーク、オーストリア、イギリス、アメリカとバレエやダンスが花開いた国々からは、あまたのエピソードがとりあげられ、過ぎ越し方の有り体と意義はより鮮明にされる。しかし本書が重きを置くのは、そうした歴史的なことばかりではなく、最も強烈なスポット・ライトは人間に当てられている。すなわち、フレッド・アステア、バリシニコフ、カルサヴィナ、ジョセフィン・ベーカーと数限りないダンス界の重鎮の赤裸々な人物像が次々に登場する。
目次
ダンス・マジカル
男性舞踊手の時代
モダン・ダンスの先駆者たち
ロシア・バレエの開花
妖精たちの踊り
舞踊芸術の誕生
伝統の創造
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
First Flight
3
神保町の手塚書房で買った中古本。1979年作(飜訳は1986)。バレエ好きだから(もちろん観る側) 関連本も結構読んだつもりけど、この本はバレエだけでなく、他の踊りから受けた影響と歴史を、それぞれの時代に踊りに関わって生きた人達の人生と人柄を通して語っている。文章が読みやすく、写真資料も豊富。初心者も私の様にある程度バレエの知識がある人も、楽しめる良い本だと思う。2013/09/15
