内容説明
文学を聴き、映像を謳う、ラテンアメリカ評論集。
目次
1部 「南」の文学そして状況
2部 愛しきプイグへ
3部 「南」の作家たち(ガルシア=マルケス;オクタビオ・パス;バルガス=リョサ;ホセ・ドノソ;ボルヘス;セラ)
4部 映像・映画へ
5部 書評―「南」を読む
6部 コラム&エッセー―「南」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kankoto
4
古書市に出ていたので思わず購入。ラテン文学などの翻訳者の野谷文昭氏によるラテン文学、映画などに関する文章。1994年刊なので少し時代を感じさせるけれどもとても興味深く楽しく読んだ。読んでない、見ていない作品に関するものでもそこに流れている空気感みたいなものを感じることができた。最後のコラム&エッセーが氏の個人的な語りがあり良かった。2013/05/14
かさ
3
ラ米の主な作家たちが紹介される章では、単なる文学史的記述にとどまらず、作家の性格、人となりが巧みに描写、分析される。名前と主な著作名しか知らなかったラ米作家たちの顔が見えてくるようであり、実際、この本の巻頭には21人の作家の顔写真が掲載されている。p.505に砂漠の園という庭が海の底に思えたということが書かれてあって驚いた。確か、ボラーニョが2666で同じことを書いていた。この一致は、あるいは単によくある発想というだけのことなのだろうか。2015/08/22