出版社内容情報
人口増加や経済成長を抑制しなければ,地球と人類は,環境汚染,食糧不足など100年以内に破滅――その衝撃の警告。
ローマ・クラブから委嘱されたグループによる研究成果をまとめたもので、システムダイナミクスモデルにより、地球規模の工業化、人口増加、栄養不足、資源の枯渇、環境の悪化を予見し、人類の成長の限界を説いた話題の書である。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
18
21世紀を超えることなく資源消費と人口増加の幾何級変化によって成長の限界を迎えてしまう。採掘コストの高騰で事実上資源が使えなくなり、資源に依存していた産業と産業を通じた成長が止まってしまう。技術革新は延命にしかならず、持続可能な方法は出産制限と農工の均衡しかない。資源を使い尽くさないよう人口や産業をコントロールしていく。そのためには全世界での協調の合意、成長を前提とした経済の転換、人々の価値観の転換が重要となる。ここで注意したいのはいくら危機が迫っているからといって2015/04/20
Koichiro Minematsu
9
40年以上前に書かれたローマクラブの報告書。当時の世界システムでは、幾何級数的成長を生じると。それは、人口と工業資本に支配的フィードバック・ループを形成することが、危険と指摘する。『成長の限界』を招くことになると。40年以上前からも持続可能性が求められている。まずは、我々のシステム思考から変化させないと。2014/07/21
恒々
6
読み終えてからこの内容ばかり頭によぎる。人口増加は指数関数で、資源は有限量、食料は定倍変化という原理から、地球で人類が暮らす限界点をモデル化したもの。1970年頃に出された予測であるが、2010年でも人口カーブはほぼ予想に沿う。水産資源の枯渇や土地問題が出てきているが、これらは食料崩壊の兆しなのだろうと強く感じざるを得ない。ゼロカーボンよりも深刻なこの問題が早く認知されることを願うのみ。2021/04/09
うってがえし
6
現在我々は資本主義経済モデルの下日々の生活を行っているが、このモデルは経済成長しなければいずれ崩壊するという宿命を持っている。一方地球の資源や汚染されていない環境は有限である。よってもって本質的にはこのアンビバレンツが解消されない限り今の生き方を継続することは無理である。じゃあそれはいつまで可能なの?という問いに対して計数モデルにより40年ほど前に回答を行ったのが本書。今見てみると人口のようにズバリ的中しているものもあれば、資源のように予想より人類ががんばったものもある。が食糧、環境はそろそろ限界かね。。2014/04/28
PDCAサイクル
5
ある時点の限界を越える,つまり成長するということが無限に繰り返されるというのは原理的に不可能だということをモデルを作って実証しようとした本.本書に引用されているミルやラッセルの議論が,未だに工業・工学に関わる人間のうちであまり進展していないような実情を見ると非常にやるせない思いが湧いてくる.明確な視座なく,目先の利益のみを最大化しようとする暴走列車たちを皆で止められるような社会はいつになったら実現するんだろうか.2016/05/14